一億年と二千年前から生きている私みたいな妖精風情であっても、魔法学園に入学して青春してもいいですか?

@flat-0810

妖精おばあちゃんの青春開始、入学試験会場への道のり 友達百人出来るかな!

今日はとてもすがすがしい朝だ。上を見上げれば、目に元気を与えてくれるいつも読む絵本で出てくるような、雲一つない青い青い綺麗な空。私は黄色い太陽も青い空もそれを吸い込むように広がる緑の木々や草木もキラキラと白く太陽の光を乱反射する川も海も愛している。私が生まれた一億年と二千年前から、

「一億年と二千年前から生きている~♪八千年過ぎたころから~なんだか青春がした~くな~ってきた~♪」

 

 私は気持ちよくなってきて、歌い始めてしまった。私はとても興奮している。なんでかといえば、今日はあの国立魔法学院の入学試験の日なのだ。

私はその入学試験を受けるために、試験会場である国立魔法学院 第九魔術学習施設 シャコガイルに向かっていた。


               ,......,,、

            li:.`i  ´ /´`i

             i ヽ.  /   `ヽ.

              ) . `i: i :::. 青   !、

             |   .l .,ノ花ヽ:::-‐‐''´i

             .入/ ヾ'´.:::   /

            ,/  `ヽ  `¨゛ヽ、  (

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「おおこんなところにお花さんマルルさんが咲いている綺麗だな~、よしよし!」

 私は試験会場に向かう道中の森で、青色のお花に話しかけていた、そうしていると後ろから野太く低いバリトンボイスが聞こえた。


「おいクソガキ、なに花なんぞに話しかけてんだ、ぶっとばすぞ。ここはお前みたいなガキの来るところじゃねえ、魔層流出量未定領域だ。てめえみたいなクソガキを一瞬で丸のみにしちまうような魔獣がうようよ出る危険区域だ。てめえみたいなクソガキはとっとと帰って母ちゃんの乳でもすってな。」

身長二メートルほどで大きな大剣をもち無骨な鎧を着た、大男がどうやら後ろからあたしに話しかけてきているようだ。


 「うおーあなたもしかしてもしかすると、私に絡んできてくださっているのですか?これが、俗にいう新入生へのカツアゲというやつなのですか?キャー」あたしは甲高い声をあげながら、目の前の超青春的展開に興奮してヘッドバンキングしていた。

「あんま、でけえ声だすんじゃねえクソガキ。魔獣が寄ってきたらどうすんだ馬鹿!気持ちわりい奴だなおまえ、なんで叱られてんのに興奮してんだ。」

「こんな超青春的状況でけえ声も出ます。さあ私を煮るなり焼くなり好きになさい、あなたが何をしようとも私があなたの暴力に屈することはありません。私を散々殴ったあなたは私にこう言うのです、ここまで骨のあるやつは正直初めてだぜ、でもおまえなんで俺を殴り返さねえ。そして私はこういうのです。平和への道はない、平和こそが道なのだ。そしてあなたは次に、なるほどな、お前面白い奴だな。よし分かった俺とおまえ二人で最強だ。二人でこの学園の天下取ろうぜ!とね、」私は初対面の人物にこれまで読んできた学園物の物語の王道展開を熱く語っていた。私は語りながら涙していた。

「何言ってんだマジでお前?」怪訝そうな声で彼は言う。

「あなたは今から私とブラダァーになるのです!私と過ごしたあの春を忘れたのですか?」私は一所懸命にいや一生懸命に言った。

「存在しない記憶植え付けてくんじゃねえよ、なんで会ったばかりのお前とブラザーにならないけんのだ?」

「チッチッチーブラザーではありません、ブラダァです!そこが重要なのです」人差し指を横に振りながら小さなthを強調して言った。

「知るか、あほ」


 そんな話をしていると、この大きい男性とあたしの間にもう一人の人物が入ってきた。

「弱い者いじめはやめなさい、それでも国立魔法学院シャコガイルの受験生ですか?」入ってきた人物は、高い声で髪の毛は金髪のロングヘアー、服装は黒のドレスに中にきれいな白いワイシャツ、それに赤いネクタイをつけフード付きの黒いローブを身にまとい頭にピクシーハットをつけた、THE魔法使いな恰好の女性だ。

「おい勘違いすんじゃねえ、俺はここは危ないから遠くへ行けと言っただけだぞ。」鎧の男性が反論した。

「そんなわけないでしょう、ほらこの子の顔の頬には一筋の涙があります。こわかったね!あたしが来たからには、もう大丈夫です。おうちはどこですか、年は何歳くらいなのかな?」私の頭をなでながら魔法使い風の女性は答えた。

「おうちは600年ほど前に、魔族の侵攻を受けて滅びました。年は今年で一億と二千歳なのです。」私は正直に目の前の女性に答えた。

「なんてことなの、、、この子恐怖で混乱しているのだわ、かわいそうに変な鎧のおじさんに絡まれて怖かったですね。」そういいながら目の前の女性は私の頭をずっとなでなでしてくる。

「おい、俺はおっさんじゃねえ、まだ年は15だ!」鎧の人が大きな声で言った。

すると、

「グルルルル」鎧の男の後ろに、その鎧の男以上に大きな牙が口からはみ出た体長10mほどの赤い獅子のような魔獣が顔をのぞかせた。

「おいおい嘘だろ、これが話をすればなんとやらというやつか?俺振り返りたくねえんだけど」

鎧の人がさっきよりテンション低く言った。

「少女よ、あなたは逃げなさい。ここは、未来の特級魔術師リズと鎧のおじさんが引き受けます」

魔法使いのような恰好をした女の人はどうやらリズというらしい。

「おいだから俺はおじさんじゃねえって言ってんだろ!それに、特級魔術師になるのはてめえじゃねえこのバウアー様だ。」鎧の男の人が反論した、名はバウアーというのか。

 この人たちと一緒にいるのはとてもおもしろそうだと私は感じた。起きる出来事すべてが新鮮で好奇心をくすぐられるものばかりだこれが青春なのか、私は感動してまた頬に一筋の涙を浮かべてしまっていた。

あの魔獣は私達の青い青い春には、邪魔な存在のように感じた。青春以上に大事なものなど、この世には存在しないだろう。よし殺すか。

「大自然古代属性 第八魔層 妖精王の罠フェアリートラップ

 私が魔術を詠唱しカッコつけるために指をパチンと鳴らした。その瞬間、長さ30mを超える木々やそれから伸びる枝が赤い獅子のような魔獣の腹や頭をつらぬいた。私たちのいた森の緑に血しぶきの赤が広がっていく。私の青い春の始まりを告げるパレットにまた新たな二つの色が付けくわえられた。

 しかし、二人の魔法学園受験生は目の前の魔獣の死体からではなくあたしから逃げるように距離をとった。

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