第2話 駄菓子屋の前のベンチ

颯斗: よかったぁー


夏: ?


颯斗: なっちゃん、アイス奢ったるわ。


夏: まじ?やった!


颯斗: どれしょ〜俺ガリガリくん〜


夏: ほな、私これ!懐かしー


颯斗: おばちゃーん。ただいま〜


駄菓子屋の

おばちゃん: あんたかえってきてんの。

      えらい男前になったやん。


颯斗: せやろー。

   おばちゃん相変わらずべっぴんさんやなー(笑)

   これ買うてきたし食べて。

   おばちゃんこれ好きやったやろ。


駄菓子屋の

おばちゃん: わーありがと。(笑)

      ほなアイス好きなん食べてええよ

      まあ、ゆっくりしていきや〜



(駄菓子屋のベンチに座って)



颯斗: うまいな、久しぶりに食うたわ〜


夏: 私も〜。

  まだこれ売ってるんやな。


颯斗: お前それ好きやな〜

   ちっちゃい時からいっつもそれやん(笑)


夏: これなぁ、ほんまにおいしいねん!

  はやともいっかい食べてみ(笑)

  あのさぁ…

  彼女と一緒に帰ってきてるん?


颯斗: え?(笑)


夏: いつやったっけ?

  梅田でバッタリおうたやろ。

  女の人と一緒にご飯食べてたやん。

  はやとがお会計してるときに

  彼女が色々話してくれはったで。

  今度、はやとの親に会いに行くって…


颯斗: あぁ…あんときか…

   あの後すぐに別れたわ。

   てか、一週間しか付き合ってへんのに

   なんで連れて帰らなあかんねん(笑)


夏: そーなんや…

  なんか…

  かわいそう…


颯斗: 言うとくけど、今までオレから付き合って欲しいって言うたことないからな。


夏: え!

  え、うそやん!あったでー!

  高2のときにいっこ下のバレー部で

  めちゃくちゃ可愛い子!


颯斗: え、そんなことあったっけ(笑)

   なんかそう言えばそんなんあったなー

   でもたぶん俺から告ったんは

   あんときだけやわ。

   しかも3日くらい一緒に帰っただけやったで。


夏: え、それ以降は?

  なんかずっーっと彼女がいるイメージあるけど…

  やっぱ、はやとモテるなぁ…


颯斗: まぁ、な(笑)

   でも長続きしたことないわ。

   あ!当たりや!めっちゃツイてるー!

   なんか勇気出てきた。


夏: え、ええなぁー

  私のアイス、当たりくじ付きちゃうんかなー


颯斗: …お前、明日なにしてるん?


夏: んー。

  明日は出かける。


颯斗: え、どっか行くん?

   友達と約束とか?


夏: ううん。友達とちゃう。


颯斗: 友達ちゃうかったらだれやねん。


夏: うーん。

  私、今日お見合いやってん。

  帰って来いってめっちゃお母ちゃんうるさいから帰ってきたら、もうすぐ相手の人来るからって言われて…(笑)


颯斗: え、、、ほんで?


夏: ほんで、さっき終わったとこ。


颯斗: え、ちょっとまって。

   お前、お見合いしてきたん?


夏: そう。


颯斗: で、どうやったん?


夏: うーん。

  なんか、まぁ、親御さんもその人も、

  なんか、ええ人やったよ。


颯斗: …で、お前どうすんの?


夏: うーん。

  まだわからへんけど、、、


颯斗: ヤバイやつやん…


夏: べつにやばくないよ。

  私けっこうそーゆーの、

  好かれる方やねんで。


颯斗: そやろな、おまえは好かれる。

   親御さんとかに好かれるタイプや。

   ほんまやばいわ。


夏: やばいって…

  ぜんぜん悪そうな人とちゃうよ。

  なんか、真面目で

  ええ会社に勤めてはるみたいやし

  生活も安定してるし、

  なんか、優しそうやし、

  それから


颯斗: それ全く興味ないわ。


夏: ……興味ない…かぁ…


颯斗: ……


夏: ……あ、はやとんとこの近所に変な

    お好み焼き屋さん出来たん知ってる?

    そこのおっちゃんめっちゃ

    おもろいらしいねんけど(笑)


颯斗: お前、明日またそいつと会うん?


夏: …うん。

  …そろそろ帰るわ。

  おかあちゃんお豆腐待ってるから。

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