恋色・二

夜月

第1話 楽しい色

 私、冴森さえもり詩葉うたは

 超モテるクラスメイト、花蓮かれんくんと付き合えました。

 色々あって、みんなには内緒ということになったけどバレる自信しかありません。

 花蓮くんも他の女の子とは話さない。って言ってくれたけどさぁ?

 流石に勘付かれるよー!

「はぁ」

「何ため息ついてんだ?」

「わっ!いつから居たのっ!?」

「んー、さっき」

 絶対ウソっ!だって、なんでニヤついてんのっ!?

「そろそろ、修学旅行だなー」

「話を逸らさないでもらっていいですか?」

「別によくない?」

「別によくない」

「ごめんなさーい」

 はい、謝る気ゼロー!

 もうちょっと気持ちってもんを込めろっ!

「で?修学旅行がどうしたの?」

「ペア、作らないといけないじゃん?」

「そうだね」

 修学旅行では、四人で一組作らないと行けないらしい。

 友達0の私は当然ぼっち確定。

 花蓮くんはたくさんの人に誘われるんだよな…

 この差が情けない。

「俺と、、組まない?あと二人は俺が誘うからさ」

 っえ?今さ、誘われたっ!?

 ペアになれるの??

「詩葉?」

「いっいい、いいいいよ。イイケドっ⤴︎」

「ふっ、じゃあよろしくね」

「う、うん」

 めんどくさいと思っていた修学旅行が、一気に楽しくなってきた。

 今日は、先生から修学旅行の行き先としおりをもらう予定なんだ。

 どこに行くのかなー?

「それでは、修学旅行で行くところを発表するぞー」

 おおおーっ?と、教室で歓声が上がった。

「行き先は、千葉だ。ディスニーランドがある名県だな」

「「おおーーーー!!」」

 うるさいくらいの声量で、立ち上がった者もいれば、隣の人と抱き合っている者もいた。

 まぁ、それくらい嬉しかったのかな。

 そう考えながら、花蓮くんの方を見ると目がバッチリあった。

 目を逸らそうとすると、花蓮くんがニカっと笑って、、、

『頑張ろうな』

 と、口パクでそう言った。私は、親指を立て『うん』と返事をした。

「今日は四人でペアを作れ。それから、しおりを渡すぞー」

 先生の言葉が終わった瞬間に、クラスのみんなが席から移動した。

「あの…詩葉ちゃん、一緒にペア組まない?」

 そう、声をかけてきたのは小学校の頃から一緒の、あかつ 知李ともりだ。

「知李…いいよ、ちょっと待ってて!」

 私は、知李を待たせて急いで花蓮くんの所へ向かった。

「花蓮くんっ!お願いがあるんだけど」

 ん?と振り向いた花蓮くんの隣には、ちょっと可愛い男の子。古野ふるや星華せいかくんが居た。

「ん?どした?」

「知李が私と組みたいらしくて、ペアに入れてもいい?」

「ちょうど一人探してたんだ!いいよ」

これで四人揃った!星華くんは話したことないけど、大丈夫かな。

「知李、大丈夫だって!」

「ありがとう…んっ?古野くんも居るのっ!?」

「え、うん。そーだけど?」

あれ?なんかマズかった………感じ?

「やっぱ、他の班行こうかなっ!」

「えっ!!どうしてよっ!」

「だって私……好きなんだもん、古野くんの事…」

「は!?い、いつからっ?」

「声でかい!聞こえちゃうじゃん!!」

「ごめんごめん。で?」

「中学一年生から…」

ウソっ!今年で三年じゃんっ!

「ごめん、気付いてなかったっ!」

「だろーね。教える気なかったし」

「とっ、とにかく!修学旅行という大チャンスを逃していいのっ!?」

「うっ……いや、だ」

「じゃあ、頑張ろっ!」

知李は頷いて、暴露して恥ずかしかったのか私の胸に顔を埋めた。

ふっ、モグラみたい。可愛い……

あー修学旅行楽しみだなー!

私のパレットには、鮮やかで明るい色の絵の具が増えていった。

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恋色・二 夜月 @yoakedoki

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