死ぬはずだったのに生き残ってしまった俺と天使

るー

第1話 事故

「あー、これ死んじゃう?」



半笑いの中、天を見つめて呟く。

近くでは身を挺して守った子供が母親と抱き合いながら泣き叫び、他の周りにいた大人達が電話したり何かを大声で叫びまくっている。

最後ぐらい静かに死にたかったんだけどなそんな事を思いながらまた天を仰ぐとそこには男の顔があった。



「ちょっと〜そんな見つめられたら照れちゃう〜」



なんだこの男、しかも顔近!?と心の中で叫ぶと同時に俺は気を失った。



「なんでー!?」



うるさいと心の中で思うと同時に目を開ける。

目を開けると涙を目にいっぱい浮かべた親と幼馴染が居た。

俺が頭を抱えながら上半身を起こすと、母親と幼馴染の凛に泣きながら抱きつかれ、父親は近くで男泣きをするという状況に頭にははてなマークしか無い。

そんな状況が5分程続いた頃、見回りにきた看護師が俺を見た瞬間血相を変え、何処かへ走り去っていった。

その3分後、走り去っていった看護師と看護師に呼ばれたであろう医者が息を切らしながら飛び込んできた。


「先生!」

「はぁっ、はぁっ、少し見せて下さい」



そこからは何もかもが早かった。

俺は車に撥ねられそうになった子供を助けて大怪我をして生死の境を1週間も彷徨っていた事、それを聞いた親父達が血相を変えて病院に来た事、それから怪我が治るまでは入院する事を知った。



「安静にしてて下さいね」



検査など諸々の事が終わり、医者と看護師が出て行く。



「もぅ、本当に心臓に悪いから辞めてよ!」

「そうよ、でも本当に無事でよかった、」

「心配かけんじゃねえ」

「心配かけてごめん、」



俺がそういうと両親と凛が顔を見合わせて爆笑する。

そんな3人を見て俺はなんだよ!と顔を真っ赤にして怒るとまた3人は爆笑した。

そこからいろんな事を話し、夜になった。

親と幼馴染は帰り病室には俺と知らない奴だけになった。













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