恋愛関係三角

紙の妖精さん

第1話




私はそのスカート、ある部分が?していることに気づき、思わず息を止めそうになった。

「!!」


教室の窓から斜めに差し込む日差しと、微かに響く靴音や椅子の軋みが、緊張を際立たせる。


「……!あ、わわ、わ……」


私は視線を彼女に向け、慌ててスカートの乱れを押さえた。胸の奥で鼓動が跳ねる。


「あー……、その、?格好のまま……もしかして?……電車に乗ってきちゃった?学校まで(笑)」

彼女の頬は赤く染まり、笑いをこらえる表情がかわいらしい。髪が少し顔にかかり、風に揺れるように動く。私は焦りながらも少し怒りを抑えて、スカートを直す。


「ちょっ待っ、そんな前からこの?なってた?!」

私の声は震えた。スカートの影が床に揺れ、光反するたび、状況の不思議さが増す。手のひらが汗で少し滑り、スカートの布地を押さえる感触が心をさらに緊張させた。


「ふふ、見てるだけじゃつまんない」

彼女は小さく身をくねらせ、いたずらっぽく微笑む。肩がわずかに震え、笑いをこらえるのが表情と周囲の女子たちの小さな笑いが重なる。男子たちは目を逸らす。教室内の空気が緊張と、くすぐったい笑い。


彼女の指差す私のスカートは、まるで舞台装置の小道具のように意味を帯びる。髪の先が肩にかかり、?の状態を再現する。指先に残る布地の感触を意識しながら、深呼吸で心を落ち着かせる。


「もう限界!」私。

「うーん、でも面白い……もうちょっと……」彼女。


私は混乱しつつも、胸の奥がくすぐったい。スカートの裾が揺れるたび、空気がわずかに流れ、彼女の動きに合わせて光と影も連動した。


「なんで同級生の前で?な状態のスカートのまま……ちょっと、聞いてるの?全然わかんないんだけど!」


教室のざわめきが少し反応する。机や床に反射する光が揺れ、息遣い、紙や文具の擦れる音が交錯してまわる。


「私、手伝います」

後輩の女子たちは自然に前に出て、私のスカート周囲を囲む。小さな壁を作るように手を添え、布地の端をそっと押さえる。その手の動きや指先の軽い震えに、私は感謝の笑みを浮かべた。


「……落ち着いた?」


「こういうの嫌い?」


私は少し赤らめながらも、後輩たちに囲まれて嬉しい。


「私、出番はここだよね?」

彼女。


「信じられないけど……ちょっとワクワク」私。


「ちょっ待っ!そのアイテムは……違うでしょ!」彼女。


私は、この奇妙で愛らしい瞬間おふざけを楽しでいた。

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