黄金色のレア生物の話【お題フェス11・未知】
BIRD
川平湾の浅瀬を歩いていたら……
まだ年号が平成だった時代のこと。
石垣島の川平湾へ散歩に出た僕は、謎の生物を見つけました。
長さ25センチくらい、幅10センチくらい、小判型。
体表はつるっとした感じです。
浅瀬で波にゆらゆら揺れているそれは、形だけでいえば「ナマコ」でした。
しかし、色がおかしい。
僕が見慣れたナマコは、黒っぽいやつです。
でも、その日見つけたやつは、黄金色をしていました。
形が縦長の楕円形なこともあって、まるで大きな小判のようでした。
「なにこれ?」
思わず、そこらにあった木の枝でつついてしまいました。
ナマコは攻撃されると内臓を吐いて威嚇するそうですが、そいつは無抵抗でした。
つつかれてもされるがままに、コロンと転がります。
身体は弾力があって、つつくとポヨンとした感じが手に伝わってきました。
しばらくつついて転がして観察した後、僕はそいつを放置して帰宅しました。
それから、かなり年月が経ってから、「希少で縁起物の黄金ナマコ」「幸運を呼ぶ黄金ナマコ」という記事を読みました。
あいつ、縁起物だったのか。
お持ち帰りすれば良かった。
といっても、当時はペット禁止の社員寮暮らし、ナマコの飼育は無理でしたが。
その後も川平湾にはよく遊びに行きますが、黄金ナマコには遭遇していません。
黄金色のレア生物の話【お題フェス11・未知】 BIRD @BIRD2023
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