第6話

三月四日午前六時四十六分。

入口が開くのを確認。

推定十代後半。No.G329

二度目の来店。


「いらっしゃいませ」

「こんにちは」

前回の観測時より安定した体温、体重、鼓動、顔色。


No.G329が席につくのを観測。

「あれから朝起きて、朝ごはんを食べて、遅刻せずに学校に行ってるんです。て言ってもまだ毎日は行けてないんですけど……。学校に行けるようになったら、またここに来たいと思ってたんです」

「本日の朝食もまだなようですので、朝食を摂ることはあなたに有効的だと判断します」

「はい。お願いします」

No.G329から疑念の目は観測できなかった。


提供開始から二十八分。

No.G329の完食を観測。前回よりも十四分早い完食。

「ご馳走様でした。次は、毎日学校に行けるようになったら来ます。行ってきます!」


No.G329の退店を観測。


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