第3話
十月十日午前七時二十一分。
入口が開くのを確認。
推定七十代前半。No.Z91
「いらっしゃいませ」
「あぁどうも〜」
No.Z91が席につくのを確認。
足取りの重さ故に席につくまでの時間が大半の観測対象者より長い
「あのね、実は今日主人の誕生日なの。だから主人の好きなものを食べたいと思って。リクエストとかできるかしら?」
「リクエストにはお応えできかねます。ですが3種類の中からお選びしていただくことは可能です。メニューをご覧なさいますか?」
「あら、お願いできる?」
「かしこまりました」
No.Z91は嬉々とした様子でcのメニューを選んだ。
提供開始から二十五分。
No.Z91の完食を観測。
「ごちそうさま。とっても美味しかったわ。主人もきっと喜んでる」
No.Z91の退店を観測。
No.Z91の退店を観測後3分49秒、空席を観測できなかった。
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