ひとりのこらず

タッセル

第1話/突然

時は2812年。

地球温暖化が深刻に進み、もはや地球には住めない程になってしまった。

地震などの災害で世界はボロボロ。更に国同士の関係も悪化していく一方であった。


しかしある日ある者達が地球にやってくる。

それは異星からやってきた「獣人」と「宇宙人」であった______。


それもまあ運が良く、言葉もなんとか通じ合えて、世界中の人々は驚いた。

…2種属の要件は共通で、それは


       「こちらの星へ来て欲しい」とのことだったのだ。









「ここの星は資源が豊富だけど知識と…なんだっけ。」


「うーんとな、知識と人手が足りなかったんだ。」


「ああそう人手!だからお金余ったんだって?その余ったお金私が欲しいよ」


「おめーほんと詳しいな。てかその余った金はあげてるはずだろ」


「この星に来る人は日本円で…2万だったか。はーあ。私はもらえてないっつーの!」


「…そうだった。お前、親がクズだったんだ」


「ちょっとー!やめてよね。」




私の種族は人間。この星に来てばかりの頃は一人ぼっちでお腹も減ってた。

だけどしばらくしたら、獣人の種族の男の子が不思議な実をくれた。

この星で育てられた実なんだって。


「…君も人間?」


「いや、オレは猫…つーか獣人。母さんが人間だったんだよ」


「ハーフってこと?珍しいね」


「オレの母さんすげー美人なんだぜ?はは。今は寝込んでるけどなー。」


その子のお母さんは最近流行ってるウイルスに感染してしまったらしい。

人間がこの星に来だ後でも、中々技術は向上しない。


「オレら獣人や宇宙人は人間ほど賢くねーから、お前ら人間がもっと星に来てくればいいのに。」


「あと少しすれば、たくさん来るはずだよ!」


「来ればいーけどな」



私達は話してる間にどんどん打ち解けていって、気付けばいつも一緒にいた。

そんなこんなで2年の月日が過ぎていった。


「母さん元気してっかなー。」


「元気でしょ。だって医者が連れてってくれたんでしょ?」


「差別って訳じゃないけど。宇宙人だからな。まあ大丈夫か」


「…たまにいるからね。人間使って自分の奴隷にする宇宙人。」


「あの種族は力がオレらの倍強いからなー。はーあ。オレも力つけてーよ」


「トレーニングしよう!」


「はは、今からかー?」


…突然だった。


「…あれ。なんか飛んでない?地球に向けたやつかな」


「…いや。違う………」


「あれは…核ミサイルだ!隣の星へ飛んで行ってる!!」


「か、核ミサイル?」


隣の星というのは、約2年前だと宇宙人が住んでいた星。

今。私達がいる星からその星へとミサイルが放たれた。


「なんで…ミサイルなんか…?ねえ!どうゆうこと!?」


「戦争。」


「…え?」


「戦争が。始まる」


…彼…「シン」は、今までに見せたことない顔をしている。

目を大きく開いて、眉毛をハの字にして、唇を震わせている。



………この世が、終わってしまったような気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ひとりのこらず タッセル @tasseru12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ