行き遅れの男爵令嬢なのですが、侯爵と契約結婚をしたらとっても幸せになりました

久遠れん

行き遅れの男爵令嬢なのですが、侯爵と契約結婚をしたらとっても幸せになりました

「完全に行き遅れているわ……これからどうしよう……」


 自室のソファで頭を抱えて唸る。


 先日の誕生日で二十歳になったが、いまだ結婚どころか婚約者もいない。

 貴族の令嬢としては、完全に行き遅れである。


 いままで、婚約の打診がなかったわけではない。いくつか縁談を結ぶ寸前までいったお話もあった。

 けれど、そのことごとくが白紙に戻った理由がわからない。


「顔が普通だから……確かにとびきりの美人ではないかもしれないけれど、そこそこ愛嬌のある顔はしていると思うのだけど……」


 ぺたぺたと頬を触ってため息を吐く。鏡を見なくても、脳裏に刻まれた自分の容姿は思い出せる。

 腰まで伸ばしたミルクティーのようなふわふわの髪に、木の葉のような翡翠色の瞳。


 お肌のケアだって怠っていないから、もちもちの肌をしている。

 目は普通より少し大きくて、唇だってピンク色だ。


 顔の造詣は可愛い部類に入ると思う。欠点にはならないはず。


「だとしたら、断られ続ける理由はなにかしら」


 思い当たらないからこそ、困ってしまう。

 再び浅く息を吐き題して、私は天井を仰いだ。


 このまま実家のごく潰しになるしかないのかしら。

 弟が家督を継いでも、家に居場所はあるだろうか。


 一人寂しく年を取る自分を想像して、泣きたくなった。

 とうとう二十歳になってしまって、いよいよ貰い手がなくなっている。


 悲壮感から顔を覆ってうつむいた私の耳朶に、扉のノックの音が響く。

 のろのろと顔を上げて返事をすると、我が家に仕える唯一のメイドが扉を開けた。


「お嬢様、縁談のお話が来ているので、執務室に来るように、と旦那様が」

「縁談?!」


 まだチャンスがあるの?! 今度こそものにしなければ!!


 先ほどまでの絶望から一転、目を輝かせた私にメイドはいつも通りの仏頂面で頭を下げた。






 行き遅れの私に縁談を申し込んできたのは、フロリアン・ヘスリング侯爵だという。

 男爵令嬢の私への縁談としては、あまりに身分が高いので裏を疑ってしまう。


 けれど、ここで逃せば一生独り身だ。

 貴族の令嬢としてそれだけはなんとしても避けたい。


 藁にもすがる気持ちで、身分差に渋い表情をするお父様を説得した。

 下級貴族の娘が高位貴族に嫁ぐと、ろくなことにならない。


 蔑ろにされるならまだいい方で、浮気の果てに離縁だとか、そういう話は夜会でもたくさん耳にする。


 とはいえ、すでに選択肢はない。

 私は覚悟を決めて、フロリアン様との顔合わせのためにヘスリング侯爵家を訪れた。


「わざわざ来てもらって悪いな。俺がフロリアン・へスリングだ」

「ジュリエット・ルブランと申します」


 我が家の三倍は広い応接室に通されると、すでにフロリアン様がソファに座って待っていらした。


 応接室に置かれている家具はどれも男爵家では目にすることのない超高級品だ。

 ソファも討伐するのが大変だと聞く魔物の皮らしく、適度な弾力があって座り心地抜群である。


 メイドが静かに置いた紅茶が注がれたティーカップも、王室御用達のブランド品。

 触ったことがないので、触れるのが怖くて紅茶が飲めない。


 緊張で乾いた口内をつばを飲み込んで潤して、改めて覚悟を決める。


「フロリアン様、この度は婚約の打診をありがとうございます。私は今年二十歳になりましたが、大丈夫でしょうか?」


 フロリアン様は今年で十八歳だと聞く。

 女性より男性の婚姻年齢のほうが遅いのも相まって、まだまだ結婚相手には事欠かないご年齢だ。

 それも、侯爵という身分なので、余計により取り見取りだろう。


 念のために問う私に、フロリアン様が小さく笑う。

 切りそろえられた黒髪が、少しだけ揺れて、漆黒のように深い色合いの瞳が私を射抜く。


「承知している。君がいいと思っているから、婚約を打診した」

「……無礼を承知で申し上げます。婚約するにあたり、お願いがあるのです」

「聞こう」


 ゆっくりと膝を組んだフロリアン様に、私はからからに乾いた喉の奥から、どうにか言葉を押し出す。


「結婚後、半年は離縁をしないでくださいませ」

「なるほど。法の570条か」

「はい」


 この国では、半年夫婦生活を送ったものは、財産の共有が認められる。

 貴族同士の結婚であれば、より財の多い方の四分の一をもって離縁できるのだ。


 つまり、半年の間、離縁することなく過ごすことができれば、その後家に戻ることになっても、私は侯爵家の財産の四分の一を持ち帰れる。


(それなら、実家にいてもただのごく潰しよりはマシなはず……!)


 理由も不明なまま婚約を白紙にされ続けて、私はすっかり男性不振になっている。


 だから、婚約と結婚に関する法について徹底的に調べた。

 私の明らかにフロリアン様を信頼していない不躾な提案にも、彼は面白そうに口の端を上げるだけ。


「いいだろう。契約結婚、ということだな」

「はい」

「結婚式までに書面を作っておこう」

「ありがとうございます」


 よし! これでたとえ離縁されても、一生生活するのに困らないはず!


 だって、侯爵家の財産の四分の一だもの。男爵家の生涯年収より高いはずだから。


「では、次は結婚式について話をしよう」


 さらりと話が変わり、なんだかうきうきと楽しげなフロリアン様に圧される形で、私は男爵令嬢として想像したことのない豪華な結婚式を挙げることになるのだった。






 無事にフロリアン様との挙式を上げて、色んな人に祝福されながらも、緊張感をもってヘスリング夫人となった。


 正直、いつ離縁を切り出されるのか、気が気ではない。でも、それはそれ。

 女主人としてできることはやらねばならなかった。


 お母様もお父様も、侯爵家の女主人が私に務まるのかと心配していらっしゃるけれど、今のところ特に問題なく過ごしている。


 結婚生活が一か月を過ぎる頃に、ふと気づいた。


(私、めちゃくちゃ大事にされているのでは……!!)


 朝起きれば、おはようのキスから始まるし、食事はどんなにお仕事が忙しくても同席してもらえて、余裕があるときはアフタヌーンティーをして時間を共に過ごし、夜の生活もとっても大切にされている。


 全身で愛されている、と感じることができる。愛されすぎてて、ちょっと怖いくらいまであるのだ。


(これは、半年で離婚しなくてもすむ……?!)


 希望を掴んだ気がした。私だって、離縁しなくてすむならその方がいい。

 けれど、私の淡い幸せは、すぐに打ち砕かれた。






 その日、私はヘスリング家の一室でピアノを弾いていた。実家の男爵家にあるピアノより数倍立派なグランドピアノを弾くのは、嫁いでからの趣味の一つだ。


 三曲目を引き終わったタイミングで、扉がノックされた。

 声をかけると、長年ヘスリング家に仕えているという老齢の執事が恭しく部屋に入ってくる。


「奥様、ジュールダン伯爵令嬢のアデール様がいらしております」

「アデール様……?」


 夜会で見かけたことがあれば、顔を見たら名前と一致するかもしれないが、ぱっと脳裏に浮かばない人だ。

 知り合いではない。


 そんな方がいったいどうして、と困惑していると、老齢の執事が「お節介かとは思いますが」と前置きをして口を開いた。


「フロリアン様の幼馴染の方でございます」

「そうなのね」


 なるほど、確かに侯爵家と伯爵家なら交流があってもおかしくはない。


「すぐに行くわ。応接室にお通しして」

「かしこまりました」


 執事が退室したのを見送って、私は一度自室に戻る。

 女主人として毎朝身だしなみは整えているけれど、改めて見苦しい点がないかを確認する。


 鏡にはどこにでもいそうな令嬢が映っている。

 結婚前に比べて、少し顔の周りがふっくらしたかもしれない。


 それもこれも、フロリアン様が美味しいご飯をたくさん食べさせようとするからだけど。

 でもまぁ、見苦しいほどには太っていないはず。


 鏡に背を向ける。さあ、どんな内容が飛び出すのやら。

 なんだか少し嫌な予感がするけれど、フロリアン様が王宮に仕事に行っている以上、留守を預かる女主人として逃げるわけにはいかない。


「大丈夫よ」


 気合を入れて、応接室へと向かう。






 応接の扉を開ける。

 この一か月で慣れつつあるとはいえ、やっぱり広く感じる応接室に足を踏み入れて、ソファにアデール様が座っておられるのを確認し、ドレスの裾をつまんでカーテシーをする。


「初めまして、アデール様。ジュリエット・ヘスリングです」


 挨拶を終えて頭を上げると、アデール様が私をじろじろと見つめている。

 上から下まで観察する勢いだ。


 それなら、と私もアデール様を見る。

 年のころは十代半ば、夜会で見かけたこともある。


 夜会の時に得た知識通りなら、十五歳のご令嬢で、年に似合わず胸元を強調した派手なドレスを好んで着る方だ。


 今も豊かな胸元を見せつけるように、真っ赤なドレスを身にまとっている。

 さらさらの金の髪と、バイオレットの瞳と合わせて、派手な格好がよく似合う。


(でも老けて見えるから、いまはまだしないほうがいいんじゃないかしら)


 年相応の格好をしたら、もうちょっと愛らしさが出ると思うのだけけれど。

 とはいえ、採点は内心の中だけに留める。


 ゆっくりとソファに向かい、腰を下ろす。アデール様はまだ口を開かない。挨拶もなしなのかしら。


「……たの」

「はい?」

「どうやってフロリアンを篭絡したの……! 行き遅れのババアなんかが!」

「ば……」


 突然の暴言に絶句してしまう。

 宝石のように綺麗なバイオレットの瞳に憎しみを宿らせて、こちらを睨んでくるアデール様に、やっと私は気づいた。


(この方、フロリアン様が好きなんだわ)


 幼馴染だと執事から聞いた。

 淡い思いを抱いていてもおかしくはない。


 とはいえ、私は正妻だし、今ではヘスリング家の女主人だ。

 立場は伯爵令嬢のアデール様より上だし、言葉の暴力にさらされるいわれはない。


 穏やかに微笑んで、余裕を崩さず言葉を返す。


「さあ、婚約の打診はフロリアン様から頂きました。旦那様にお尋ねになられては?」

「聞いても教えてくれないのよ! 貴女、卑怯な手段でフロリアンを脅しているんでしょう!!」


 明らかに激昂している。

 火に油を注ぐのは簡単だけれど、仮にもフロリアン様の幼馴染の方ならば、丁寧な対応をしておきたい。


「そんなことはしておりません」

「嘘よ!!」

「どうして嘘だと思うのです?」

「フロリアンは私の婚約者だったのよ!」


 それは初耳だ。

 さすがに目を見開いた私の前で、勢いに任せて立ち上がったアデール様が、貴族の令嬢ではありえないことに、私を指さした。


「貴女が私からフロリアンを奪ったんだわ!!」


 許せない、と唇を噛みしめるアデール様に、なんと釈明していいのかわからなかった。

 フロリアン様の方から婚約を打診されたのは事実だし、彼に私の前に婚約者がいたのも知らなかった。


 でも、それを説明しても納得してくれそうにはない。


 困ってしまう。

 眉を潜めた私の前で、目の前に出されていた紅茶をアデール様が掴む。


「この売女!!」


 そうして振りかぶった熱い紅茶を浴びせかけようとした彼女を止めたのは。


「なにをしている!」


 鋭い声で割って入ったフロリアン様だった。


「フロリアン……!」

「フロリアン様」


 ほっと息を吐く。

 振りかぶった紅茶の宛てを失ったアデール様の手から、カップが滑り落ちて足元の絨毯に茶色のシミを作る。せっかくの高級なカップが割れてしまった。


「なにをしている、アデール」

「私は! フロリアンのためを思って!!」


 入口付近に立っているフロリアン様の眼光は鋭い。

 けれど、立ち上がったアデール様はその眼差しに怯える様子もなく、彼に縋りついた。


「二度と屋敷に入ってくるな。ジュリエットを傷つけることは許さない」

「待って! 脅されているのよね?!」


 言葉を重ねるアデール様を、フロリアン様が睨む。

 片手で振り払われて、アデール様が尻もちをついた。


「俺は俺の意思でジュリエットと結婚した。お前の妄言は聞き飽きた」

「だって、貴方は私の婚約者で……!」

「それはお前の妄想だと何度言えばわかる。俺はずっとジュリエットだけに婚約を申し込み続けていた」


 あれ? どういう意味だろう。

 ぱち、と瞬きをした私の前で、フロリアン様がアデール様を放置して近づいてくる。


「怪我はないな? 間に合ってよかった……!」

「お仕事は大丈夫ですか?」

「なんの心配をしているんだ。熱い紅茶を被ったらただではすまなかったんだぞ!」


 案じているからこそ語気の粗いフロリアン様に微笑み返す。

 毒気を抜かれたようで、肩の力を抜いたフロリアン様の横をすり抜け、アデール様の前に立つ。


「お帰りください。そして今後、屋敷を訪問することを禁じます」

「何様の分際で……!」

「私はこの屋敷の女主人です」


 きっぱりと言い切ると、アデール様は悔しげに唇を噛みしめた。

 突然の騒ぎに呆然としていたメイドに「丁重にお送りして」と伝えると、彼女は慌てた様子でアデール様に退出を促していた。






 アデール様を追い返して、場所を夫婦の寝室に移す。

 ソファに並んで座り、私の肩を抱いて離さないフロリアン様に「どうやって駆け付けたのですか?」と問いかけると、彼は浅く息を吐き出して教えてくれる。


「執事が魔術で連絡をしてきた。アデールは昔から問題ばかり起こす娘だったから、万が一を危惧したのだろう」

「それで、転移魔法で?」

「ああ」


 王宮は騒ぎになったのではないだろうか。お仕事は大丈夫なのか。

 不安を顔に出すと、額にキスを落とされる。


「心配することはない。ジュリエットの無事に比べれば、他のことは些事だ」


 触れるだけの口づけがくすぐったい。

 軽く体をすくませた私の目を見つめて、フロリアン様が真剣な面差しをする。


「本当になにもなくてよかった。もし君が怪我をしていたら、俺はアデールを殺していたかもしれない」

「大袈裟ですよ」

「大袈裟なものか」


 どこまでも真摯な様子に、先ほどから気になって仕方なかったことを問いかけた。


「先ほど、ずっと私に婚約を申し込んでいた、と仰いましたが、どういうことですか?」

「ああ、それか。……俺は、身分の差と年を理由に、ジュリエットの父君に婚約の打診を断られていたんだ」

「えっ」


 まさかの事実だ。

 でも、確かに侯爵と男爵令嬢では釣り合わない、とお父様が考えたのは理解できる。


 結婚支度金は莫大だったけれど、お金より私の幸せを考えてくれたのだろう。

 高位貴族に嫁いだ下級貴族の令嬢の不遇な話は、腐るほど聞くから。


 それに、年上の奥様も貴族にはあまり好まれない。

 男性が年上なのはそれこそ二十歳離れてても珍しくないけれど、女性の方が男性より年上なのは数か月の差でも嫌がられる。


「この際だから伝えるが、ジュリエットの婚約がずっと白紙になっていたのは、君のせいではない」

「どういうことですか?」

「……嫌わないでくれるか?」

「はい」


 捨てられた子犬のような目で見つめてくるフロリアン様に、迷いなく頷く。


 この一か月、溺愛と呼べるほどに、とても大事にされていた。

 私の中にも彼に対する愛は芽生えていて、いまさら何を聞いても嫌いになることはない。


「俺が全部、邪魔をした」

「……え?」


 でも、思わぬ告白に間の抜けた声が出る。

 私の肩を抱いていない右手で、前髪をぐしゃりとかきあげる。


「幼い頃、君に助けられたことがある。冒険だといって屋敷を抜け出して、貴族街のはずれで迷子になった。俺を見つけたジュリエットが家まで送ってくれて、それからずっと、君のことが好きだった」

「――ああ! あの時の!」


 半泣きの男の子! とはさすがに言わなかったけれど。


 確かに黒髪の男の子を助けた記憶がある。

 『お姉ちゃんが家まで送ってあげるからね!』と言って送った先が、確かにヘスリング家だった。


 教えてもらうまで完全に忘れていた。瞬きをする私に、力なくフロリアン様が笑う。


「カッコ悪いから、忘れているならそれでいいかと思っていた」

「忘れていたというか、あの頃と変わりすぎていて、結びつきませんでした」

「君に相応しい男になれるよう、努力したんだ」


 半べその男の子がこんなにカッコよく成長するなんて、思わないもの。

 その上、フロリアン様の想いが擽ったい。

 照れてはにかんだ私の肩を抱く手に力を入れて「それで」とフロリアン様が続ける。


「君に一目惚れをして、相応しくなれた頃――たしか、十二歳のときだ。ジュリエットが十四歳の時に、父に頼み込んで婚約を打診した。だけど、君の父君に断られてしまって」


 はあ、と吐息を吐き出したフロリアン様の端正な横顔を眺める。苦々しげな表情をしている。

 そんな姿もカッコいいと思うのは、惚れた欲目だろうか。


「悔しくて。君に他の婚約者ができそうになるたびに、権力を使って邪魔をした」

「それで……」

「ああ、君はことごとく縁談が破談になった。そうすれば、選択肢をなくして最後には俺のものになると思ったんだ」


 やっぱり縁談が白紙になり続けたのは、私の落ち度ではなかったらしい。

 少しの安堵と、そこまでの執着を向けられていたことに驚く。


 でも、意外なことに嫌だとは思わなかった。


「では、契約結婚を了承されたのは、どうしてですか?」

「俺のせいだが、再会したジュリエットは『男なんて信じない』という目をしていたから、そうしたほうが安心するだろう、と。最初から、離縁するつもりなどなかったが」


 語られた言葉が全部事実なら、それはそうだろう。

 私はすとんと納得した。一人で空回っていたのだ。


「半年を過ぎても、お傍にいていいのですね?」

「もちろんだ。むしろ離れようとしたらなにをするかわらかないぞ」


 ニヤリと悪い顔で笑うフロリアン様に、背筋がぞくぞくする。


 こんなに愛されているのに、出ていく理由がない。

 人によっては愛が重すぎるのは嫌かもしれないけれど、私にとっては心地よかった。


「一生お傍においてください」

「こちらこそ」


 触れるだけのキスを、今度は唇に落とされる。すぐに離れていった温かさが寂しい。

 じっとフロリアン様の漆黒の瞳が、じいと私を見ていて、二人同時に噴き出した。


 愛しい毎日が、これからもずっと続いていく。



◤ ̄ ̄ ̄ ̄◥

 あとがき

◣____◢



『行き遅れの男爵令嬢なのですが、侯爵と契約結婚をしたらとっても幸せになりました』はいかがだったでしょうか?


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