悪魔と少女と迷宮と

@MAHOUSAN

第1話 悪魔という種族

皆さんは悪魔という種族をご存知かな?

悪魔は龍や神、そして神に属するものと同じく生きている年月が多いほど強くなっていく。だが、基本的に悪魔は天使と同等であり、龍や神には及ばない...。それは何故だろうか。

答えは、悪魔という分類が比較的新しいものだから...だ。

悪魔が生まれ始めたのはほとんどが人間が神を信仰したのと同時期だ。これだけで大体わかると思うけど、悪魔は神との敵対者として創り出した存在だ。

僕みたいに創世の時代から細々と生きている悪魔はもういないんだ。

まぁ…まず純悪魔は成長速度が遅いからね。現に堕ちた豊穣神ベルゼブフ神に最も近かった者ルシファーが覇権を握ってるのが証拠だよ。

まぁ、ルシファー以外を全部全部混ぜ込んで呑み込んで吸収したんだけど。


世界の終わりってのは唐突でね、神に属する者以外が一斉に死んでいったんだ。終末戦争ラグナロクで死ぬのは良かった、むしろ本望だった。けれど、神に属する者と僕以外が唐突に一斉に死んだんだ。僕は一応原初の純悪魔且つ現存する唯一の純悪魔だったから生き残ったかもだけど、龍はどうして死んだんだ?神より強い者も多々いたはずなんだが。

まぁ、僕は死体を全部食べて龍とベルゼブフの特徴がでちゃった弱い悪魔さ。いや強い方なんだけどね?


とりあえず。そんなこんなで生物は死に絶え、役割を失った神々も少しずつ存在が希薄になり、遂には僕1人だけの世界になってしまった。


資源は沢山ある、緑はない、生物も僕以外いない...虚しい世界だ。

そんな時、魔法陣が地面に浮かび上がった。


この世界で僕を召喚するような存在はいない、つまり異世界からの召喚陣ってわけ。そりゃまあ、嬉々として飛び乗ったよ。寂しいんだぜ?孤独って。


まぁ、それで召喚したのが…鉄の箱を飛ばしているふざけた格好の少女だった。


「見てください!人型ですよ!腕が4本あってツノが生えてて口から牙が見えてますけど人型ですよ!すごくないですか?やっぱり私ってば天才なんじゃ!?」

:それはない

:断じてない

:自惚れるな

:メスガキ風情が

:ただショタを召喚したのは褒めてやろう

:あとはそのショタを私達に渡せ

「絶対嫌ですよ!」


なんだこれ、文字が空中に浮かんでる。

『えーと、おそらく使い魔召喚の魔法陣だよね?契約しないの?逃げるよ?』

「ダメですダメです絶対やめてください契約してくださいまだレベル1なんですお願いしますこのままだと口先だけの雑魚のレッテル貼られて大炎上して人生詰みになっちゃいます契約してくださいお願いします」

『はいじゃあ契約しよう』


というわけで契約完了!いやっふー!食べものがあるぞ!

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