第4話 白き災厄、あるいは蒸気の終幕
ラインハルト学院、中央広場。
舞い散る雪の中、数千人の学生が
そしてその海の中心、高く
「……これこそが帝国の栄光だ! 鋼鉄が自然を征服し、秩序が
皇子の声は
彼の背後には巨大なカエサルの銅像が
広場の
しかし私の意識の中では、地底深くの根と
今よ。
成長しなさい。奴らの
地底深く、無数の根が狂ったように成長し、真鍮製バルブの排気口を
本来なら順調に流れているはずの高圧蒸気が瞬時に
演壇上のカール皇子はまだ腕を振り上げていた。
「帝国に反抗しようとする旧時代の
ドォォォン――!!!
これは軍靴の音ではない——大地の怒りの
広場の地下にある
積雪、
高圧蒸気は瞬時に演壇を呑み込み、巨大な
「皇子殿下をお守りしろ! 守れ!」
「敵襲だ! 敵襲!」
悲鳴、警報、蒸気の噴出音が混ざり合った。
帝国の栄光を象徴するあのカエサルの銅像が、蒸気で
そして、全員の恐怖に満ちた視線の中で、あの
ガァァン!
巨大な銅像は皇子がついさっきまで立っていた演壇の上に重く叩きつけられ、権力の象徴であった
カエサル大帝の頭部が転がり落ち、
この光景を見つめ、心臓が激しく
恐怖ではない——興奮だ。
やり遂げた。一滴の毒も使わず、
冷たい手が私の肩に置かれた。
振り向くと、シャルアはいつの間にか死んだ
彼女は混乱する人々の中に立ち、倒れた銅像を眺めながら、あの敬意と
「あらあら、実に壮観な『
彼女は顔を傾け、私にウィンクした。
「この取引の
「さあ行きましょう、女王陛下。この見事な蒸気の
私たちは身を翻し、背後の混乱と燃え上がる白い蒸気に背を向けて、学院の北門へと歩き出した。
誰も私たちに気づかない。全員が空気と蒸気に向かって銃を撃つのに必死だった。
帽子の縁を引き下げた。足取りが初めてこれほど軽やかに感じられた。
北からの風が、吹き始めた。
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荊棘と鋼鉄の王冠 ~亡国の庭師姫と魂を商う古き妖~ 離風 @Lifoen
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