第2話緑と黄色と灰色

この事務所では人探しはもちろん刑事事件や教育相談など多くの依頼を受けている。僕が使える〝色と痕跡を辿る〟能力は事務所にとっては重宝されるらしいだが、11歳の子どもが大人でも背負いきれない重圧に耐えれるのか?七森さんは「大丈夫だよ、重たいものは私と茜山が背負うから音廻は視えた〝真実〟を伝えてくれればいいから」と優しく声をかけてもらえた。灰色の世界から僕は抜け出したそして多彩を今初めて覚えた。七森さんはどんな警察官だったのか?本人はあまり話したがらなかっただから無理に聞かない様にした。

そうしていると七森さんから最初の依頼を頼まれた「この白紙に今取りかかっている事案のヒントがあるらしい音廻何か視えるか?」「黄色と緑が混ざったように視える…でも僕は灰色の世界で生きてきたからあまりあてにしないほうが」と言ったが「この白紙実はとある事件を白紙コピーしたものだ」と七森さんは言った。

緑は安全七森さんと同じ色だからじゃあ黄色はなんだろう茜山さんとは違って〝黄色〟だからそこから連想できるのは「もしかして…窃盗事件ですか?」七森さんは茜山さんと顔を合わせて「やっぱり君は特別な人材だ」そう言った。

安全と窃盗なにが関わっているのか?僕は考えた…

「仮説ですが〝強盗〟ではなく〝窃盗〟なんだと思います緑が暗示しているのは安全濃いめの黄色は金運だと思うも…もし赤だったら何か危害があったのかと僕は思います」さらに七森さんは「そこまで視えているのならあとは音廻の情報と茜山の推理力をそして私の次の事件の危機察知で先回りができる」話はまとまった。

さて動きますかと七森は立ち上がった「音廻はここで待機茜山はサポートに」と言って事務所から出た

茜山さんと二人になった茜山さんを視たら色が変わっている黄色から青に変わっていた、青は仕事モードだと感じた。今初めて人の役に立てたそれが何よりうれしかった。

数日後…連続窃盗事件の犯人が現行犯逮捕された。

七森さんは警察官と協力して次狙われるであろう場所時間で待ち伏せしていたそう。報道では「連続窃盗犯逮捕」のことで持ちきりだった。

事務所に七森さんは帰って来た「音廻君の能力はいつか〝あの事件〟を解決できる程の大きな能力だこれからもよろしく」僕はこれっきりで終わりかと思ったのだがまだここにいていいんだ。

〝あの事件〟20年前七森さんは15歳の時の出来事だそうだ連続殺人事件警察官の間では現代の〝ジャック・ザ・リッパー〟と言われている迷宮入りの事件七森さんはその時に母を殺されたそれをきっかけで警察官になったそうだ。

20年経っても犯人の足跡すら見つからないSNSでは「もう死んだ説」や「隠蔽説」などが出回っている唯一の手がかりと言えば当時の七森さんが目撃したことしかないだが未成年の証言は曖昧さがあり受け入れてはもらえなかった。

七森さんは一度は警察官になったがその未解決事件の犯人の候補で七森さんが挙げられた。それが原因で警察官を辞め個人の探偵事務所を建てたのが七森さんの過去だ。

それを聞いて七森さんの色が変わった〝赤緑〟に変わっていたきっと犯人を捕まえる執念と誰かを守りたい優しい気持ちが混ざったのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る