嫁が優秀な子供ほしさに義理の祖父と托卵を企てやがった! 俺は嫁一族と縁を切り、托卵された子供を育てる決意を固める。
panpan
第1話 池谷 大河①
俺の名前は池谷 大河(いけたに たいが)……有名なエリート高校に勤めている高校教師。
エリートとは言っても、俺自身はしがない高校教師に過ぎない……。
他のエリート教師と比べたら……出身校や知識は至って平凡……。
体育教師故、多少なりとも体が鍛えているがな……。
だけど……そんな俺には自慢できることがある。
それは……妻の道種 千鶴(みちたね ちづる)だ。
千鶴は元々同じ高校に勤めている同僚で……美人教師と生徒や教師から評されている。
しかも千鶴の祖父はこの学校の理事長である道種 熊次郎(みちたね くまじろう)……。
超エリート大学を首席で卒業し……この学校を一代で建てたいわゆる上流貴族。
そんな男の孫であれば……どんな美人でも男は尻込みしてしまう。
俺も例に漏れず……憧れこそあれど、高嶺の花と遠くから見ているだけにしていた。
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「好きです……私とお付き合いしてください」
ところがある日……千鶴からディナーに誘われた俺は……突然彼女に交際を申し込まれた。
「えっ? 俺?」
俺は耳を疑ったが……千鶴の真剣な眼差しが……俺の疑惑を一刀両断する。
「いつも見ていました……。
真面目で……優しくて……いつも生徒達のことを考えていて……そんなあなたに惹かれました」
「そんな……大げさですよ。
俺はただ当たり前のことをしていただけで……」
「その当たり前なことをできていることが……素晴らしいんです」
俺としては……普通にしているだけなんだが……千鶴にとってはそれが特別すごいように見えていたらしい……。
上流国民と平民故のギャップなのか?
よくわからん。
「もちろん……嫌ならお断りして頂いて結構ですから……」
「嫌なんてそんな……」
俺の何が良いのかさっぱりわからないが……俺からすれば、千鶴と付き合えるなんて夢みたいな話だ。
「こんな俺でよければ……」
「あっありがとうございます!」
俺は千鶴の気持ちを受け入れ……俺達は付き合うことになった。
『羨ましいぞ! こいつ!』
『どうやって騙しやがった!?』
『絶対先生達、釣り合ってないよ!』
有名な美人教師との交際故……たちまち俺達の仲は学校中に広まり……教師達からも生徒達からも”美女と野獣”と冷やかされるようになった。
めちゃくちゃうざいと思ったが……悪い気はしなかったな。
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そして交際を始めてから2年後……俺と千鶴は結婚を決意した
結婚の許しを得ようと千鶴の実家へと赴いた際……千鶴の両親は人当たりが良さそうな人だったので、結婚にはすぐに賛成してくれた。
それは良かったんだが……俺としては、良心よりも熊次郎さんの方が気がかりだった。
超エリートで、何よりも理事長……。
俺にとっては職場での最高権力者……一教師である俺と千鶴の結婚なんて……到底認められないだろう……。
そう覚悟してたんだが……。
「千鶴が選んだ男なら……構わん」
てっきり反対されると思っていたんだが……熊次郎さんはあっさりと結婚を認めてくれた。
「千鶴と頼むぞ?」
「はっはい! あっありがとうございます!」
気難しい顔こそ変わらなかった……熊次郎さんは俺達の結婚を認めてくれた。
上流国民だからと嫌味な奴だとか常識を逸脱しているとか……色々思っていたが……全部杞憂に終わった。
むしろ、そんな偏見を持っていた自分が恥ずかしくなる。
「やったね……大河」
「あぁ!」
俺達はこの日から1ヶ月後に入籍した。
結婚式にはお互いの親族はもちろん……同僚の教師達や生徒達まで駆けつけてくれた。
みんな俺達のことを……心から祝福してくれた。
「千鶴……俺、絶対に幸せにするから……」
「はい……よろしくお願いします」
まさかこんな俺が……千鶴のような美人と結婚するなんて……夢にも思ってなかった。
共働きで家事は分担しているが……千鶴は料理が上手く……掃除や洗濯も完璧にこなしている。
本当に非の打ち所がない嫁だ。
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そして……結婚してから2年後……俺達の間に可愛い娘ができた。
名前は音瑚(ねこ)。
愛くるしい目が猫みたいだと思って、その名前を付けた。
「俺達で根瑚を立派に育てような!」
「うん、頑張ろうね」
美しい妻に愛しい娘……俺は本当に幸せ者だった……。
だけど……今にして思えば……ここが俺の幸せのピークだったのかも……しれない。
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「よし! 帰るとするか……」
千鶴と結婚してから3年目の冬……。
今日は待ちに待った音瑚の初めての誕生日……。
受験シーズンということで最近何かと忙しく……なかなか家族と過ごす時間は作れなかった。
だからこそ……せめて娘の誕生日くらいは……家族水いらずで過ごしたい。
仕事を早めに切り終えた俺は学校近くのケーキ屋で誕生日ケーキを購入し……軽い足取りで帰路についていた。
1歳の音瑚にケーキなんて食えないが……まあこういうのは雰囲気の問題だ。
誕生日プレゼントであるアンパンマン人形も万全だ……。
本当はもっと遅くなる予定だったが……少しでも早く帰りたい言う俺の思いが天に通じたのか……予定よりも早く帰路に着くことができた。
夜空の下……冷たい風が肌を突き刺してくるが……誕生日に熱を上げている俺にとっては、心地よく感じる。
「既読にならないな……」
ラインで早めに帰ることは千鶴に伝えてはいるが……既読にならない。
この時間帯だから……風呂にでも入っているのかもしれない……。
育児休暇を取って音瑚のことを任せっきりにしてしまっているからな……千鶴にも何か労わないと……。
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「ただいま……?」
ルンルン気分で帰宅した俺の目に映ったのは……玄関に置かれていた男物の革靴。
一瞬ハッとしたが……この靴には見覚えがある。
確か……熊次郎さんの靴だ。
千鶴の実家や学校で、何度か見かけたことがある。
オーダーメイドなのか……K・Mとイニシャルがついている。
道種熊次郎……間違いなく熊次郎さんのだ。
来るとは聞いていなかったが……ひ孫の誕生日なんだから……熊次郎さんが家に来てもおかしくはない。
俺は靴を脱ぎ……リビングへと向かう。
そこにはキッチンで食事を作る千鶴と……スヤスヤ寝息を立てている音瑚……そして、音瑚を祝いに来た熊次郎さん……。
ほのぼのとした光景が広がっているんだろう……なんて思いながらリビングのノブに手を掛けたその時……。
「ん……あぁ……いい……」
「!!!」
ドア越しにリビングから聞こえてくる官能的な声が……ノブを回そうとした俺の手を止めた……。
この声……俺の脳内が無意識に記憶から声の主を検索し……最も近しい者の顔が頭を過ぎる。
いや……まさか……。
俺はあり得ないと悪い予感を振り切り……おそるおそるリビングの中へ入った。
そこで俺が見たものは……。
「そこ……やばっ……あぅ……はぁ……」
「ククク……相変わらず可愛い体だなぁ……。
ホレ……この辺が良いのだろう?」
「んあぁぁぁ!!」
そこにいたのは……ソファの上で互いに生まれたままの姿で快楽を貪る千鶴と熊次郎さん……。
一体2人が何をしているのか……理解できなかった
いや……頭では理解してるが、心が受け入れられていないと言った方が正しいか……。
肉同士がぶつかり合う音……ムワっと鼻孔を刺激する臭い……。
何よりも……だらしないメスの顔で熊次郎さんを受け入れている千鶴の姿が……夢だと思いたい俺の意識を……現実に引き戻す。
ドサッ!
俺は思わず手に持っていたケーキを床に落としてしまったが……2人は構わず行為を続けている。
よほど体の相性が良いのか……そばに俺が立っているにも関わらず……全く俺に気が付いていない。
俺との行為の時には全く見せない千鶴のだらけ切った顔……。
それが男としての俺のプライドと夫としての信頼をズタボロにしていく……。
「そっそろそろだ! いくぞ!」
「きっきてぇぇぇ!!」
「おぉぉぉ!!」
獣のような雄たけびと共に……2人の体が痙攣をおこした。
俺にはそれが何を意味しているのか……嫌でもわかる。
今……俺の目の前で……千鶴が俺以外の男と絶頂を迎えたんだ……。
しかも周囲には……避妊具らしきものは見当たらない……。
それはつまり……熊次郎さんの種が直接千鶴の中へ入ったということ……。
そしてこの様子から……千鶴自身もそれを容認しているみたいだ。
目の前の現実を脳が処理し、情報として俺の思考が恐ろしく冷静に読み解くものの……俺の心はとても理解しきれなかった。
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……」
細胞レベルの融合を果たした2人は力尽き……汗だくの体で倒れるようにソファへと寝そべった。
バカみたいに舌をダラリと出し……目の焦点も会っていない妻の顔……。
俺には見せたこともない間抜けな顔……。
本人にとっては高揚感に包まれた幸せな時間なんだろうけど……客観的に見ればひどく滑稽だ。
「はぁ……はぁ……!! 大河!?」
いくらか時間が過ぎたことで火照った熱が冷め始めたのか……千鶴はようやく俺の存在を認識できたようだ。
俺と目があった瞬間……千鶴の紅く火照っていた顔が一気に青ざめた。
「なっなんで……なんでここにいるの!?」
驚いた拍子にソファから転がり落ちた千鶴は四つん這いの姿勢を維持したまま俺に問いかけてきた。
絶頂の影響か、まるで生まれたての小鹿のようだ……。
「なんでって……音瑚の誕生日だから……早めに仕事を切り上げて帰って来ただけだ……」
「そんな……いつから……」
「もう結構前からいるよ……。
それより……これはどういうことなんだ?
なんで熊次郎さんとこんなことをしてるんだ?」
妻の不貞現場に出くわしているにも関わらず……口から出てくる言葉は驚くほど冷静だった。
こういう時……大抵の夫は怒り狂うはずなのに……俺の心は思ったよりも乱れていなかった。
怒りを通り越して冷静さを取り戻したのか……ショッキングな現場に心が壊れてしまったのか……それとも……千鶴のことをそこまで愛していなかったのか……。
わからない……。
ただ……どうしてこうなってしまったのか?
それだけが知りたい……。
「えっと……ね?
これは浮気とかそんなんじゃないの……。
ただの”妊活”なの!!」
「……は?」
「私はおじいちゃんから種をもらっていただけ!
子供を作ろうとしていただけで、それ以上の意味はないの!
男女の情とか……そういうのは一切ないから……」
果たしてこの言葉を解読できる人間が……この世にどれだけいることか……。
少なくとも……俺の頭では全く理解できなかった。
「お前……何を言っているんだ?
妻が夫以外の男と肉体関係を持っていた時点でそれは浮気じゃないのか?」
「違う! 私が心から愛している男は大河だけ!
ほら……おじいちゃんはすごく頭が良いでしょう?
おじいちゃんの優秀な種なら……生まれてくる子供だって優秀になるはずでしょう?
だから……私はおじいちゃんと子供を作っていたの。
大河との夜の生活が不満だったとか……全然そんなことないから!!」
「……何を言ってるだ? お前……」
訳の分からない言葉をグダグダと並べる千鶴……。
最初は浮気がバレて開き直っているんだと思っていたが……必死な形相で俺を見る千鶴の目は真剣そのもの……。
つまり……アレか?
千鶴の頭の中では……男女の性行為と夫婦の妊活は全くの別物だと……そういうことか?
まあ……貞操観念の低い人間ならばそういう考えもいそうな気はする……。
今回の浮気もそれが理由であれば、事は簡単なんだが……千鶴の場合は次元が違っていた。
「私はあなたを愛してる!
これからの一生をあなたに捧げるつもりでいるわ!
だから誤解しないで!
これはあくまで……妊活なの!」
熊次郎さんとの肉体関係は認めている一方で……不貞行為は断固として認めようとしない千鶴……。
俺の足にしがみついて必死に懇願する姿から……これがごまかしや言い訳の類ではなく、本心であることは……極めて奇妙ではあるが、伺うことができる。
常識的に……少なくとも俺からすれば……この状況は不貞以外のなにものでもない……。
しかも相手が義理の祖父で……俺が務めている学校の理事長だなんて……受け入れるにはあまりに惨い現実だ……。
「はぁ……。 全く……君には失望したよ……大河君」
千鶴の言葉が理解できずに茫然としていると……熊次郎さんが呆れたと言わんばかりに溜息とつきながら口を開いた。
「千鶴が惚れた男だからと思っていたが……少々、過大評価しすぎたみたいだ。
ここまで簡単なことが……どうして理解できないんだ?」
「何を……言っているんですか?」
「君は……この日本という国で……どれだけの若者が犯罪に手を染めているか……考えたことがあるかね?」
なぜここで日本なんてスケールのでかいワードが出てくるんだ?
「闇バイト……いじめ……SNSによる誹謗中傷等……毎日のように卑劣な犯罪行為は行われている。
そしてそこには……多くの若者や未成年者が関わってしまっている。
どれだけ更生させても……大抵の者は再び犯罪に手を染めてしまう。
実に嘆かわしいことだ……」
「はぁ……」
「なぜ犯罪に手を染める人間が後を絶たないのか?
それは……この国に優秀な子供が少なすぎるからだ!」
拳を握って語り出すその姿は……まるで演説者のようだった。
「真っ当な教育を受け……きちんとした躾を施した子供……。
そんな理想的な子供がこの国にはほとんどいない!
ではなぜ……子供が正しく育たないか?
それは……親が無能だからだ!
頭が悪く……秀でた能力もない愚か者同士の子供なんぞ……どれだけ優秀な教育者が付いても意味はない」
てっきり孫との不貞に関する言い訳を述べるかと思ったら……意味不明な教育論を話し出す熊次郎さんに……俺は言葉を失った。
「無論……優秀な人間も少なからずいる。
だがその何割かは……自分自身の価値を見出すことができず、くだらん情にほだされて、愚か者と添い遂げて優秀な血を薄めてしまう……」
「……」
「優秀な男の種と優秀な女の苗床……この完璧な2つの要素を取り入れることで生まれる子供……それこそが、この国に必要とされるべき……優秀な人材だ!」
「じゃあなんですか?
2人はその優秀な人材とやらを作るために……ここで妊活していたと?」
「その通りだ……。
ワシの血が流れている千鶴であれば……苗床としては申し分ない
ワシと千鶴の子供であれば……間違いなくこの日本を背負って立つ優秀な人材へと化けるはずだ」
「……」
「だが誤解するな?
ワシはあくまで千鶴を苗床として種を注いだにすぎん。
男女の情などというものはお互い微塵もない。
孫相手にそんな情など湧くはずもないしな……。
だから君と千鶴の中を引き裂こうなどとは思っておらん。
ワシは君を千鶴の夫として認めている。
千鶴自身も……君のことを心の底から愛しているからな。
だから君はこれまで通り……千鶴を夫として支えてくれ」
「おじいちゃんの言う通りだよ?
私は本当に大河のことだけを愛してる!
だから……これからも音瑚と3人で幸せに暮らそう?」
音瑚の名前を耳にした瞬間……俺の脳裏に嫌なイメージが湧いた。
まさか……そんなはずはない。
そう否定しながらも……口は勝手に動いた。
「千鶴……まさか……音瑚は……熊次郎さんの子供なのか?」
「うっうん……そうだよ?
大河には黙っていたけど……音瑚が生まれてすぐDNA検査したんだ……。
音瑚は……おじいちゃんの子供だった。
でも……音瑚の父親は大河だよ?」
「……」
俺の中の何かが……音を立てて崩れていったような気がした。
音瑚が……俺の子供じゃない?
検査結果を直接目にした訳じゃないけれど……こいつらの異常性を目の当たりにした今なら……そうなっていてもおかしくはない。
愛していた音瑚が……俺の初めての娘が……俺の子供じゃない?
じゃあ……音瑚が生まれた時……涙を流しながら馬鹿みたいにはしゃいでいた俺は……仕事を急いで切り上げて、ケーキやプレゼントまで買った俺は……一体なんなんだよ……。
あり得ない……こんなことが……あって良いのかよ……。
「安心したまえ……君から音瑚を取り上げるつもりはない。
音瑚の父親は君だ」
ふざけやがって……。
どの口が……そんな言葉をほざいでやがる!
「ねぇ大河。 もう気持ちを切り替えて、音瑚の誕生日会やろうよ!
せっかくケーキやプレゼントまで買ったんだから……」
気持ちを切り替える?
そんなことができるわけがない。
「なあ千鶴……。
お前これからも……熊次郎さんと妊活を続けていくつもりなのか?」
「えっ?
まあ……そうだね。
優秀な子供を身籠ることが……女の役目だし……。
でも大丈夫!
大河との夜の生活は怠ったりしないし……音瑚のことも2人目の子供のことも……私がしっかりと育てるから!
おじいちゃんだってサポートしてくれるだろうしね!」
「うむ……そうだな。
せっかくこの世に生まれた優秀な人材だ……。
金銭的な援助なら喜んでやろう……」
こいつら……間違いなく狂っている。
もう裏切られた怒りとか……托卵された悲しみとか……今はそんな感情すら湧かない。
ただただ……怖い。
もうこれ以上……こいつらと関わりたくない。
こんな狂人共とこれからも家族として生きていくなんて……地獄すぎる。
どれだけ余裕のある生活を送れようと……絶対に嫌だ!
「嫌だ……」
「えっ? 大河……どうし……!!」
俺は足に絡みつく千鶴を振り払い……2人から距離を取った。
「俺は……千鶴と離婚する。
これ以上……お前らみたいな頭のおかしい奴らと関わりたくない!!」
「まっ待ってよ大河! 何を言っているの!?」
「俺は本気だ! 同じ空気すら吸いたくない!」
「冷静になってよ! 私は大河のことしか愛してないんだって!
おじいちゃんからは本当に種をもらっているだけ……これは義務なの!
そこに感情なんてないから!」
「感情の問題じゃない!
俺はもう……お前の存在自体が受け入れられない!」
「そんな……ひどいよ!」
「大河君……少し落ち着いたらどうだ?」
「うるさいっ! 俺は……俺は……うわぁぁぁ!!」
この地獄のような空間に耐えきれなくなった俺は……わき目もふらず家から飛び出した……。
もう何がなんだかわからない……。
不貞を犯した千鶴が俺に見せる確かな愛……孫を犯して子供まで身ごもらせたのに、それを日本のためだとかなんとか言って誇りに思っている熊次郎さん……。
もうあの2人が人間なのかすらわからない……。
でもはっきりしていることは1つ……。
俺にはもう……千鶴を愛せる自信がない。
【次話も大河視点です。 by panpan】
嫁が優秀な子供ほしさに義理の祖父と托卵を企てやがった! 俺は嫁一族と縁を切り、托卵された子供を育てる決意を固める。 panpan @027
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