還暦宣言

なかむら恵美

第1話

言いたくないが、来年。

令和8年、2026年。午歳。(それも丙午)。

還暦。とうとうわたしも還暦を迎える。


昭和41年。

ビートルズが来日し、「日曜洋画劇場」と「笑点」が放送開始。

海外ドラマの「奥さまは魔女」も始まり、かなり話題。

グリコのポッキー発売と、日本初の原発が出来た年。

「手をあげて 横断歩道を 渡ろうよ」

松崎真でございますと続いた川柳も、この年に出来た。

わたしの生まれた秋頃は、中国の文化大革命と、ベトナム戦争が世界を

揺るがしつつあった。

最新版は、キムタク版か?

「華麗なる一族」も時代背景は、当時かと思われる。



生まれた年だけでも、こんなに基礎。

今の時代に繋がる基礎が次々と湧き上がっていたが、以降。

人生の節目、節目と世間の節目・節目が一致する生まれでもある。

小学校へあがる頃に、上野にパンダがやってきて、ロッキード事件。

ピーナッツの色は黒と決まり、「記憶にございません」と相成った。

アイドルといえば、花の中3トリオに、ピンクレディーとキャンディーズ。

かつて「ピンポンパン体操」を一生懸命歌い、踊った阿久悠の歌詞を、今度は

ピンク・レディーに寄せ、真似た。

「ザ・ベストテン」や、様々なアニメーションは嗚呼、今でも夢心地だ。


天中殺や、口裂け女、不幸の手紙が大流行したのは、中学時代か。

高校入学前後から又、時代が変わった。

CDの発売と当時に、レコードが廃れ、テレフォンカードが新登場。

お金が要らずの凄い奴(?)。今のキャッシュレスの先駆けである。

昭和から平成へ。

電電公社がNTTとなり、国鉄がJR。ワープロも終盤に差し掛かり「デジタル」。

訳の分からないカタカナ英語が、次から次へと登場。

世の中が浮かれまくっていた頂き直後に、「Windows95」が日本来日。

かつて上野動物園に、カンカン・ランランを一目見ようと押し寄せた人だかりが、秋葉原に再現されていた。


「バブル世代」

知らない間に呼ばれ、<新人類>とも言われた我々。

だからだろうか、「狙え!」「ちいとばかりに営業トークの幅を効かせて、

褒めまくれば、直ぐ落ちる」「お金をじゃんじゃん、使ってくれる」

カン違いする、業界担当者も多い。

元々ですよ、そういうのは。

いつの時代もマイペース。

半分、石橋を叩いて渡りそうで渡らないようなわたしみたいのはダメです。

幾ら狙い撃ちしようが。

だって、未だにスマホを持っていないし、不便を感じていないんだもん。

ダメだこりゃ、ですわいな。

悔いているのは、純金積み立てをしなかった点。

してればねぇ、今頃ねぇ。


余計は置く。

日々是毎日、感情様々。喜怒哀楽があったけど、健康に過ごせたのはありがたい。

これからどうなるか分かりません、確実に老いてゆくんだから。

わたしは酒を飲みませんが、以下の歌。

以下のココロでございます。



〇5959(ゴクゴク)と 今まで歳月 飲み下し

                   ぶふぁ~っとこれから 還暦の日 

                         <短歌 なかむら>


                                  <了>


            









                  

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