その名は、シャンティ。シャンティ・デウィ

なかむら恵美

第1話

偶然なのか?必然なのか?

しかし、謎が解けたのは幸運だ。


ずっと、すっと、名前を知りたい人がいた。

「前世」

この手の話にわたしが初めて触れたのは、小学3、4年生の頃である。

3年生かも知れない。

給食を待つ間に、学級文庫にあった1冊を何となく取って、読みだした。

表紙が固くて厚くて、濃い桃色。少し重くて、色んな事が書いてあった。

後ろの方だったかと記憶する。こんなのが掲載されていた。


インドで幼い子供が、自分は前にどこそこに住んでいて云々。

最初は信じなかった周囲の人も、余りにしつこく言うので、そのどこそこを探し

連れて行ったら、更に詳しく回想。

初めて出会う男性に「あなたは、夫の親戚の中で、一番若い人だったわ」と断言。

懐かしそうにしてた。


(世の中には、不思議な事もあるなぁ)

感心だけが印象であった。


(何て名前だったっけ?何て名前だったっけ?)

暫くして、接した前世話は、例の「勝五郎の話」であったが、(小泉八雲が書き留めたものの中にあるそうだ。もしかしたら、朝ドラで取り上げられるかも?)何故かしら彼女の名前が気になりだしていた。

内容を覚えているのに、肝心の名前が全く出てこない。


社会人になっても、時折、引っ掛かる事の1つ。

(誰だったっけ?誰だったっけ?)子供時代の不思議さを呼びもした。


と、ついこの間。

いつものように「ニューズウィーク日本版」サイトを読んでいたら、何と!

仲田しんじさんの記事にビックリ!驚いた。

(おおっ!)

まさに尋ね人が分かった。シャンティ・デヴィ、その人だ。

かつて、小学生の頃にわたしが読んだ本の内容と、全く一緒である。

(おおっ!)

是が非でもヘブン先生と、会って頂きたいようなお人だ。


1930年代に4歳=今、ご存命ならば100歳に近いか?

大丈夫かしら?

何はともあれ、謎が解けて良かった、良かった。

こういうものも、幸運の1つだ。

                                <了>

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