奈緖と眠る夢

陽女 月男(ひのめ つきお)

奈緖と寝る夢

今夜は、奈緒のおうちにお泊まりだ。

奈緒がいつも寝ている和室に、いつものお布団を敷いて、少し狭いけれど一緒に就寝する。襖を隔てた隣の部屋には旦那様が寝ているそうだけれど、不思議と気にならない。

私は、いつも起きる時間に目を覚ました。

隣では奈緒がぐっすり眠っている。とても愛おしい寝顔。

大好きな可愛いほっぺに、そっと唇を当ててみる。そして、唇にも……。

心の中で、

「おはよう」

と挨拶する。

このまま抱きしめたいと心が疼いたけれど、起こしてしまうのは申し訳ない。

寝顔を見つめながら、私も再び眠りの中へ。

やがて奈緒がもぞもぞと動き、目を覚ます。

それにつられて、私も目を開ける。

目が合って、

「おはよう」

と小さな声で挨拶を交わす。

そして、軽く唇を触れ合わせる。

奈緒の起床の時間だ。

私は「まだ寝てるね」と伝え、再び目を閉じる。

奈緒は布団から出ていく。

私は、彼女が寝ていた場所へともぞもぞ移動する。

奈緒の温もり、香り、気配に包まれながら、再び眠りに落ちていく。

このまま永遠に眠っていたい。

――そんな夢を見ながら。



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奈緖と眠る夢 陽女 月男(ひのめ つきお) @hinome-tsuki

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