彼女の心の妄想が激し過ぎて、読心童貞青年が困ってます!ー奈津の妄想は現実とギャプが激し過ぎるー
故に
第1話 エクスカリバーってやめろやぁ!
「なんなの、あなた?!」
「妄想するのやめてくださいぃぃぃぃ!!!」
――――――――――
菜津、30代OL。
彼氏なし、自由気ままな独身貴族。
お酒が大好きで、最近は一人飲みが多い。
飲み屋では必ずカウンター席。
バーテンのおすすめを頼み、声をかけられるのを待つ。
「お姉さん、一人ですか?」
「えぇ♡」
「僕も一人なんですよ。よかったら一緒に飲みませんか?」
「いいですよ♡」
「この後、どうですか?♡」
――そんな流れで、お持ち帰りされることも多い。
ホテルで……エクスカリバーが待っている……。
うふふ♡♡♡♡♡♡♡♡
――――――――――
……という、私の妄想!
わかってます、我ながら酷い!
この年でこんな妄想!しかも電車の中で!
私は年齢=彼氏なし歴。
処女。恋愛経験ゼロ。
男友達は多いけど、恋愛は未経験。
だから……欲求不満なのかもしれない。
妄想くらい、いいでしょうがぁぁ!
――――――――――
……え?
……この人?!
電車の中で、何妄想してるの?
……はぁ?
エクスカリバーって何?
僕は芝 森孝。新卒会社員。
ブラック企業で残業漬け。
実は、人の心の声が聞こえる超能力者。
さっきから、男女の激しい妄想が聞こえる。
童貞には厳しい!鼻血出るわ!
頼むから電車でやめろやぁ!
――――――――――
「あの……すみません!」
ホームで声をかけられた。
スーツ姿の青年。
20代後半くらい。
爽やか系イケメン。
だけど目の下にクマ。
顔が赤い。
「先程の妄想を控えて頂けると嬉しいのですが……」
……妄想?
え?私の……?
「エクスカリバーの……」
青年がボソッと呟いた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
駅員が怪訝そうにこちらを見る。
「なんで知ってんのよぉ!」
赤面して慌てる私。
「うるさいなぁ……!おかしいのはあんただわ!電車中で!」
青年が不機嫌そうに言う。
やだぁ!人が見てる!
私の妄想バレたら終わり!
「エクスカリバー、うるさいってばぁ!」
「言わないでぇぇぇ!!」
「だからぁ!あなたのその!激しいぃ!行為!!妄想するの辞めてくださぃぃぃぃ!!!困りますぅぅぅ!!」
青年の大声がホームに響き渡る。
見られた?聞かれた?私の妄想……!
逃げるしかない!
ヒールでも走った!
――――――――――
これが、処女の私と読心青年の出会い。
翌日もまた、彼は聞いていた。
私の妄想を……。
「やめろやぁぁぁぁぁぁ!!ボケがぁぁぁぁ!!」
彼女の心の妄想が激し過ぎて、読心童貞青年が困ってます!ー奈津の妄想は現実とギャプが激し過ぎるー 故に @kappa001
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