IoTセキュリティ万全の豪邸で密室殺人が起きてしまう。何者かによって包丁で刺され生き絶えた夫。セキュリティが厳重ゆえ、深い疑いをかけられる妻。
犯人はいったい誰なのか? と、依頼が舞い込んできます。
これを推理・解決していく現代調ミステリーなんですが、依頼先は曰くつきの探偵事務所。探偵もどうやらフツーではなさそうで、序盤から何やかんや引き込まれる展開に思わず口元が綻んでしまいます。
謎解き要素がきちんと提示されるため、推測する楽しみはありますし、もちろん仕掛けられた密室のトリックもきちんと明かしてくれるから納得して読み進められます。
でも……それ以上に驚きの展開が待っているなんて!
タイトルの◯◯はまさかの二文字!
短編ならではの読みやすさと、程よい伏線にクスッとしてしまう、コメディとおかしみとがいい塩梅のエンタメ小説です。
主人公は数々の難事件を解決してきたという名探偵。
しかし、レビューサイトでの評価は高くない。むしろかなり低い。
なんでもこの探偵、なにか持っているらしい。
そんな彼のもとに依頼が転がり込んでくる。愛する夫を亡くし、しかも夫殺しの犯人と疑われる主婦からの依頼だった──。
1話目から笑わされ、トリックには「おお、なるほど!」と納得させられ、探偵のキャラクターには虜にされ、とっても充実した時間を過ごせました。
頭が良くてへらへらしたキャラクターって、それだけで魅力的に見えるのですよね。
「〇〇持ちの探偵」──。
持っていないものも多いこの名探偵さんが唯一(?)持っているもの。
ぜひこちらにも想像を巡らせながらお楽しみくださいませ。ちなみに私の想像はものの見事に外れました。最初から違いそうだなぁとは思いましたが……(笑)
この探偵、こうして眺めているだけですから星は3つでも5つでもつけたくなりますが、実際に依頼した立場であったら……そうですね……たしかに低評価をつけるかもしれません(笑)
たっぷり楽しませていただきました。
ぜひぜひ。
全4話の短編です。
事件はあらすじに書かれているとおりなので割愛するとして、依頼者はたらいまわしされた挙げ句、レビュー評価が最低の、探偵の墓場とも称される九頭竜太郎探偵事務所へやってきます。
無実を訴える依頼者の力となるため、九頭竜太郎が立ち上がります。
現場はIoTを装備したセキュリティも完璧な家の一部屋で、いわば密室状態でした。
ここから九頭竜太郎の推理が冴えわたります。
あれ、これほどの頭脳がありながら、なにゆえにレビューが最低評価なの?ときっと疑問を持つでしょう。
そしてなによりもタイトルにある伏字部分です。
いったいこれが何を意味しているのか、さらには九頭竜太郎の名前にもヒントがあります。
そして事件は九頭竜太郎によって難なく解決へと導かれるわけですが、当作はそこからが妙味なのです。
ここまでは最終話へと繋がるための序章にすぎなかった。そんな思いもします。
ライト感覚で読める本格ミステリーでありながら、まさかの伏字の答えがラストで待っています。
きっと読了後、やられた!と唸ることでしょう。
1万文字に満たないのに満足感たっぷり、お薦めの一作です。ぜひ読んでください。
探偵事務所を訪れた女性の無実を晴らすために、九頭探偵が奮闘します!
……で、いいのかな(;^ω^)
読んでもらえたらわかるのですが、最初から九頭探偵、怪しい。癖つよです。
午後三時に起きます。
え?午前じゃなくて、午後三時!?
私は三度見しましたよ!
でもいくら読んでも、午後三時。まぁ、お昼寝したのでしょう。と思ったら、依頼人の訪問。
依頼人からの予約が入っているのに、昼寝してたんかーい!!とツッコミましたね。
ツッコミどころは、そこだけではありません。
なんとこの九頭さん、スウェットで寝ていたんですよ。寝る気満々。くつろぐ気満々。
依頼人がチャイムを押してから、ワイシャツとスラックスに早着替えしましたからね。
だらしなさすぎー!!
と、ミステリではないところにレビューの文字数をとってしまいました。
さて、この探偵事務所。口コミ評価最低、探偵界の墓場らしいです。
期待できませんね。などと思っていたら、推理はお見事でした!
密室殺人事件。令和の時代らしい、巧みなトリックです。
謎を解き明かすヒントはちゃんと書いてあるので、ぜひ推理しながらお読みください。
九頭探偵、最後までやってくれます!!
シンプルでありながら秀逸なトリック、また、とても読みやすい文章で状況もわかりやすくて、ミステリー作品としての完成度が非常に高いなと思いました。
瀬古夢月という女性の夫が殺されたのですが、彼女が犯人だと警察に疑われているようです。
そこで瀬古夢月さんは九頭竜太郎という探偵に犯人を見つけてほしいと依頼をしてきます。
これはホームセキュリティが導入されている家で起きた密室殺人なんですけど、その家は無理に侵入しようとすると警報が鳴り、自動で警備会社に通報されるようになっていたみたいです。
つまり、瀬古夢月さんが犯人でないとしたら、このホームセキュリティをなんらかの手段で破ったということ。
いったいどうやって侵入したのか……。
真相を知って「なるほど!」と思いました。素晴らしいトリックでした。
また、探偵のキャラがとてもよくて、彼の言動で何度か笑ってしまいました。
オチも秀逸で、非常に満足度の高い作品でした。とてもおすすめです!
まず、よくこの文字数に収めたなと思いました。ストーリーの密度が高く、満足感が大きいです。
○○持ちの探偵(まさかの伏せ字)である九頭竜太郎は、夫を失った未亡人・瀬古夢月から密室殺人の解決を依頼される。
立ちはだかるのは鉄壁のセキュリティシステム。果たしてトリックやいかに――?
無理がなく、単純で分かりやすいトリックで、非常にフェアだったのが好印象でした。このトリックを著者独自のセキュリティシステムに適用するというのは、ミステリとして目新しいと思います。あっと驚かされました。
さらに秀逸なのは最終話。九頭による解決編が華麗に活かされたオチに笑いました。最高。
短編ながらキャラ立ちも十分。キャラ造形も相まって、ところどころギャグセンスが光っていて面白いです。
ミステリとして大変完成度の高い逸品だと感じました!
本作は、軽快なテンポと絶妙なユーモアで一気に読ませる、痛快系ミステリ短編です!
主人公・九頭竜太郎のしゃべりの軽さと、妙に人望のなさそうなキャラがまずクセになるのですが、推理そのものはしっかり本格派!
IoTを絡めた現代型の密室という設定も読みごたえがあり、探偵が家の構造をひとつひとつ検証していく場面は純粋にワクワクします。
物語の構造も見事で、事件の真相が明かされた後にも「この作品ならでは」のもう一段階の面白さが待っているのが秀逸で!
読後にくすっと笑わせてくれるオチも含めて、短編としてのまとまりがとても美しいです。
サクッと読めて満足度は抜群!
小粋な探偵ものや、軽めの本格ミステリが好きな方には特にオススメしたい一作です!
謎、そしてトリックの解明。そして個性の強い探偵のキャラ。どれもがとても楽しかったです。
探偵・九頭竜太郎(くず・りゅうたろう)が受けた依頼。瀬古夢月(せこ・むつき)が殺人の容疑者となって困窮しているという。
瀬古夢月は完全セキュリティ防備のセコム付きな家で暮らしていたが、その中で夫が殺害されていた。
彼女以外の人間にとって、この家は「完全なる密室」となっている。だから自然と彼女が容疑者となってしまったが……。
セキュリティとしてどのようにロックが解除できるか。それらの話を見る中で、「犯人がどうやって中に入ったか」と自然といくつもの仮説を立てたくなります。
本格ミステリのセオリーからすれば、どういう可能性が考えられるだろうか。
そして見えてくる真相。「これは、あのパターンの応用か!」と本格ファンとしては嬉しくなる出来栄えでした。
密室を破るためのトリックの代表格の一つ。本来はとてもアナログな方法に使われるものなのですが、現代のセキュリティ技術の中で、その「型」を綺麗に応用してみせるトリック。これは見た瞬間に「なるほど!」と何度も頷かされることになりました。
その解決の鮮やかさ。そして探偵のキャラによるラストの展開。どれもが楽しく、読み手をしっかりとおもてなししてくれる素敵な作品でした!