優勝景品は神になる権利です。

おしゃけくん

第1話「神の娯楽」

 下界、冥界、天界が存在する三面世界。下界には神が創り出した人間が暮らした。神は人間に死という概念を与え、娯楽としての用途しか考えなかった。しかし人類は残酷だが、時に美しい、そんな歴史を創り出していった。最高神ゼウスはそれを見て思った。人類史上最強は誰なのか…と。


ーーー天界

 最高神ゼウスは様々な神話に登場する神々を集めた。


「皆の衆、よく集まってくれた。此度は面白い娯楽を用意した!その名は…人類最強決定戦ビガッド!」


 大量に集まった神たちの頭がモゾモゾと風に揺られる草のように揺らぎ騒つく。そして1人の神が質問をする。質問した神は北欧神話の最高神オーディン


「ゼウスよ、たかが人間の闘争が面白いと、本気で思っているのか?」


 ゼウスはオーディンの質問と肯定をする野次をなだめて言った。


「見ておれば分かる。そして何より、優勝者を神にする!」


 さらに神々が騒つくとゼウスは痺れを切らして怒鳴った。


「だぁぁぁまぁれぇぇぇぇぇ!…ゴホンッ…そして我々は誰が勝つのかを賭け…賭けに勝てばその優勝者を自分の従神として迎えることが出来るぞ!!」


 それを聞いたイザナギが簡単にまとめる。


「つまり、ゼウス殿は人間の歴史をご覧になって誰が最強か気になったと、そのものを神格化して迎えたいと、そういうわけですね?」


 ゼウスは頷く。そしてそのまま神に反対されても開催する予定だったかのように対戦表を取り出した。


「今回の出場者は32名、前半8回戦、後半8回戦のトーナメントで行う!対戦表は…これだ!」


 巻物のようなものを広げ対戦表をあらわにする。


ーーー対戦表

前半戦

第一回戦 シモ・ヘイヘvs那須与一

第二回戦 ジャック・チャーチルvs真田幸村

第3回戦 弁慶vsベイヤール騎士

第4回戦 曹操vs馬超

第五回戦 ヴラド・ツェペシvs白起

第6回戦 船坂弘vs エイドリアン・カートン・デ・ウィアート

第7回戦 ティムールvsアレクサンダー大王

第8回戦 上泉信綱vsウィリアムマーシャル

後半戦

第9回戦 エル・シッドvs呂布

第10回戦 ハンニバルvsベリサリウス

第11回戦 レオニダスvsリチャード1世

第12回戦 孫子vsナポレオン

第13回戦 ロバートザブルースvs加藤清正

第14回戦 ハーリドvs前田利家

第15回戦 マッドアーバンvsビョルン

第16回戦 グスタフvsエドワード1世


 神々は対戦表を見て神側にまで名が通った出場者を確認し、早速誰に賭けるかを画策している。


 こうして天界にて神の娯楽、人類最強決定戦、ビガットの開催が決定した。出場者は全員が様々な面において最強、知将だからと侮ることなかれ、猛将だからと驕ることなかれ、誰が勝つのか、どのように戦うのか、誰が神となるのか…

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