「森」

ぽふ、

第1話

汗が、もう、じわじわする。


蝉の声も、聴き慣れた。


アブラゼミと、ミンミンゼミと、ツクツクボウシ。


聞き分けられるのは、そのくらい。


そーいえば、ヒグラシは、まだ聴こえてこないなぁ。


残暑が厳しい。


そんな季節。


庭が、森のように樹木が生えている、家の、縁側で。


熱いコーヒーを啜っている。


どこかサウナに入ったような、心地よさが、あったり、する。


そう思っていたのは、いつのことだったかな。


もう。


陽射しが、ジリジリ肌を刺してくる。


それでも。


風が、気持ちよくて。


なんだか、ぼーんやりして、心を、眺めてる。

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