この作品の主要人物は「百合の間に男が混ざるのは不敬」と断じる少年・コウと、彼を監視(?)する幼馴染のムギです。
本作は、校内の美しい女子カップルを遠巻きに愛でる二人の、ミニマムで少し危うい「推し活」を描いた日常ラブコメディです。
コウとムギの、軽妙なテンポで繰り出されるボケとツッコミの応酬が読んでいて楽しかったです。
一見すると不審者の一歩……を通り越して半歩手前の熱量をぶつけるコウに対し、呆れつつも徐々にその「沼」へと引きずり込まれていくムギ。
二人の距離感が、共通の「秘密」を通じて変化していく過程が非常にコミカルに描かれています。
「尊さ」を糧にするオタク心理を突きつつ、最後には予想外の爽やかな読後感へと着地する、まさに「箱推し」したくなる良作です。