異世界便利機能
あー、納得。
そりゃそうか。
そういえばコライ村の村長も
同じようなこと言ってたっけ。
この世界の人間達にとって
何か大きなことが起こってから現れるのが
神様with契約者であって
現状何も起こってないのに
契約者が現れましたっていうのは
不安と混乱をもたらすには十分な要素になるよね。
「やっぱり…そうなりますよね」
「はい。正直な話、私共も不安には感じておりまして…」
「しかし『契約者様』として会って頂くとなると、その事実を公表しなくてはいけなくなりますので、謁見という形にはできません。民にも混乱を招いてしまいますので」
「じゃあ、お忍びというか、密会って感じになるんですかね?」
「そうですね。御三方が了承して下されば、私がその旨を陛下にお伝えして、セッティング致します」
私達は顔を見合わせ、頷き合う。
「分かりました。国王陛下にお会いする旨、お伝え下さい。レオさんとラインさんも同席してくれるんですか?」
「もちろんです。ありがとうございます。では、これを」
そう言うと、レオさんはピンポン玉サイズの
水晶のような物を渡してきた。
「これは?」
「通信球といって、特定の相手となら、離れていても話ができる代物です。魔力を流せば、私の持っている通信球と繋がります」
ケ、ケータイやんけ!
異世界ケータイに感動し
ちょっと話を掘り下げてみたところ
コスパが悪く、使い勝手も良くないらしい。
「そこまで便利なものじゃありませんよ」
と彼等は言うが、改良の余地は大いに感じた。
とりあえず異世界ケータイの話はさておいて。
準備ができ次第、通信球で連絡をくれると言うので
ひとまず宿を取り、ちょっとのんびりしよう
という話になった。
アグニアの時とは違って、今回は最初から3人だ。
なので3人で泊まれる部屋を取った。
なんせ、ATMにはまだ余裕があるからね。
たまには贅沢したっていいじゃない。
私はここまでの旅の疲れを癒やすべく
部屋に完備されているお風呂に向かう。
肉体的に疲れるってことは無いんだけど
精神的に色々とね…。
お風呂といえばこの世界
驚くことに上下水道が標準装備なのだ。
しかも、水道管があるわけではなく
この神様達の力で。
多分、最初は雨水とか湧き水を
ヴィータの力で回収するところから
始まってるんだと思う。
そんで、ヴェールがキレイな水を作り出して
汚水をまたヴィータが回収して…というような
神様式浄水永久機関が確立されているのだ。
それを全世界規模でやっているというから
驚きである。
しかも本人達曰く、特に意識をしなくても
力を発動させていれば、勝手にそうなるらしい。
本体じゃないなんて言ってたけど
もうこの2人が本体でいいんじゃないかな。
お風呂から出てサッパリしたところで
宿の1階に併設されている食堂で
お昼ご飯を食べつつ、今後の予定を話し合う。
「連絡が来るまでに、王都見物をしながらお店を探したいな」
「この国を出る前に、顔を隠せるものを見つけなきゃならねぇからな」
「何か素材があれば、私が作れるわよ?」
「じゃ、それも視野に入れよう。既製品が見つからなければ、素材で」
「別のもん買って、俺が回収して素材にするでも良いんじゃねぇか?」
「それはダメ。私のモラルが許さない。あんた、出された料理を一口も食べずに、いきなり塩かけたりする?」
「んなことするわけねぇだろ。既に丁度いい塩加減だったら、味を落とすだけだ」
「そう。それと一緒。提供してる側は、これがベストだと思って出してるのに、1度も試すこと無く全く違う物にされてみなさい。腹立つでしょ」
「確かに。売られている物は、本来の用途で使うのが当然といえば当然ね」
そんな会話を交わしつつ
昼食を終えた私達は
お店探しに繰り出すのであった。
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