冬の贈り物【短編フェス11☆その①】

暗黒星雲

第1話 未知との遭遇なのです。

 今日は建国際です。我がラグナリア皇国では、冬のこの祝日に大切な人へ贈り物をする習慣があります。


 私にも贈り物が届きました。二つです。一つは憧れのウルファ姫から頂きました。いかにも高級な焼き菓子のセットです。もう一つはお隣のグラスダース王国に住んでいる親友のサナから。建国際の贈り物はお菓子やお茶が多いのですが、サナからの贈り物は書籍でした。手紙も添えてあります。


 ティナ! 元気ですか?

 私はまあまあ元気です。


 最近は背が伸びすぎて困ってます。今は172センチくらい。男の子からは「女のっぽ」ってからかわれてますけど、からかった子は蹴ってやったりグーパンチで懲らしめてます。私は昔みたいな弱虫じゃないんだよ。


 今日は私の大好きな本を送ります。小説とコミックです。恋愛もの。凄くドキドキするし切なくなるし、泣けてきたりもするし、とにかくお勧め。読んだら感想を聞かせてね。


 大好きなティナへ

 三倉佐奈より


 うんうん。そうだったね。幼年学校時代はサナちゃんはチビ、私はデブって虐められてたんだ。サナは背が伸びて、今はのっぽってからかわれてるなんて面白いね。でも、いじめはないみたいだから安心。

 

 サナが住んでいるグラスダース王国は異世界の日本と僅かながら交流があって、食べ物とか本とか少しだけど入って来るんだ。私は日本の〝こんにゃく〟を貰ってダイエットに成功したのです。大体15キロくらい痩せたんだよ。ふふふ。凄いでしょ。


 さて、サナから送られてきた小説とコミックです。これは異世界の日本で書かれた作品のようですね。彼女の説明ではドキドキして切なくなる恋愛ものだって。作者はU部Mさん? 変なネームだな。


 先ずは小説の方をチラ見。タイトルは『君と僕の間に』です。意味深なタイトルですね。二人の間に何か障害があって、それを乗り越えて恋が実るって感じなのかな?


 仕事がうまく行ってない主人公の僕が君の部屋で癒される場面から。この君ってちょっと粗野な感じだけど男前です。「お前を虐める奴はおれがぶっ飛ばす。いつでも助けに行くからな」って感じ。物理的な強さが強調されてますね。そして主人公の僕です。女の子の一人称が〝僕〟って可愛いじゃん? 


 君は僕を優しく抱きしめる。僕は君の腕に抱かれて体中が熱くなっていく。それは君も同じみたいだ。君の硬くなったソレが僕のお腹に擦りつけられる……そんなに僕が好きだった事だよね……僕の唇は君に奪われる。


 あああ! いきなりエッチシーンですか!?


 うん。本当にドキドキして来たよ。逞しい男の人に抱かれるって、こんな感じなのかな?? 色々想像しちゃうね。


 舌と舌を絡める熱くて濡れたキスが僕の理性を狂わせた。君は僕の右手を掴んで君の熱くなったソレへと導く。


「硬くなってる。それに熱い」

あきらと触れ合ったらこうなるんだ。もう抑えられない」

「うん。僕が欲しくてこうなるんだよね。それ、凄く嬉しいよ」


 僕は君の硬くなったソレを優しく撫でていく。君はキスをしながら熱い吐息を漏らす。もう、我慢できないのかな。でも、それは僕も一緒だ。僕の息遣いも熱く荒くなっていく。


 キャー!

 しちゃうの?

 冒頭から?

 エッチしちゃうの?


 君の大きな手が僕のあそこを撫でながら強く握った。僕は体中の力が抜けてしまって君にもたれかかる。


「痛くない?」

「うん。気持ちいいよ。でも、もう立っていられない」

「わかった」


 僕は君に抱きかかえられてそのままベッドで横になる。君は僕の体を撫でながら優しく服を脱がしていく。


しょう……くすぐったい」

「でも、気持ちいいんだろ」

「うん。もっとして欲しい」


 君は僕の嘆願に応え僕の体を優しく愛撫していく。素っ裸にされた僕の小さな乳首に吸い付いて、僕の硬くなったそれを握った。


あきら……気持ちいいかい?」

「うん。いいよ。凄くいい」

「だったら俺のもしてくれ」

「わかったよ」


 僕と君は抱き合ってキスしながら、お互いのソレを撫でて握って擦り合わせた。濡れた先っぽが触れ合うと熱い電流が体中を迸っていく……


 って!

 何これ!

 僕って僕っ娘の女の子じゃないの?

 華奢な男の子だったの?

 ソレって……男の子の……ソ……ソレ……だよね。

 僕があきらで君がしょうで……どっちも男の子なんだよね! ねっ!


 その後の二人は……男の子同士でエッチちゃいました。お互いに舐め合ったりもしてました。そして翔が攻め? で晶が受け? っていうのか な? 何回も何回もしちゃってた。


 ええっと。これはハードな描写が売りのBL(ボーイズラブ)作品だったのです。私はそんなのがあるって風の噂で聞いたことがあるけど、実際に手にして読んでしまうとは……しかも、男の子同士でお〇ん〇んをああしたりこうしたり……キャー!!!! 言えない。言えないわ! 内容を脳裏になぞるのも無理! ああああああ。サナちゃん、何て刺激的なプレゼントををををををを!!


 はあはあ……男の子同士であんなことしちゃうなんて……男の子同士で……刺激が強かったので半分も読んでません。でも、めっちゃ興奮しました。


 サナから贈り物は、私にとってとんでもない未知との遭遇だったのです。続き……読めるかしら??

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冬の贈り物【短編フェス11☆その①】 暗黒星雲 @darknebula

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画