個人勢Vtuberを兄と始めたらすごいことになった

深夜の暇人

小翠みずな(翠里)、さくりぃ(翔)Vtuberデビュー

第1話 Vtuberになる事を決意する

「お前、男なのに女みたいな名前するんじゃねえよ気持ち悪い」

「アニメとかゲームとか興味無いんだってよ」

「うわまじかww」

「ないわー」

 ボクがいじめられていたのは小学5年生の頃から卒業するまでだった。

 親や先生に相談しても口を揃えて「あの子達はいい子だそんな事をするはずがない」って言われてお兄ちゃんは無口であまり家にいる所は見ない。

 そして6年生になって少しした時に僕は学校に行かなくなった。

 もちろん親には「学校に行きなさい」と言われ続けた

 幸い部屋の扉には鍵がついていて部屋の中からしか鍵をかけれないから部屋に親が入ってくる事はなかった。

「これからどうしよう・・・」

 ボクは悩んでいた。中学生になったけれどまだ学校に一度も行っていない。

「翠里いるか?」

 お兄ちゃんの声だ

「いるよ」

「ドアを開けてくれるか?」

 どうしてだろう

 普段お兄ちゃんはドア越しに物を置いて行ったり話しかけてくる事はたまにあったけどドアを開けて欲しいと言われたのは初めてだ

 鍵とドアを開けたらお兄ちゃんがパソコンとヘッドホンを持って立っていた

「お兄ちゃんどうしたの?」

 ボクが聞いたらお兄ちゃんは

「これ・・・誕生日プレゼント・・・自分の誕生日も忘れたか?」

「覚えてるよ?お兄ちゃんがドアを開けて欲しいって言ったの初めてだったからびっくりしただけ」

「今年は直接渡そうと思った・・・それだけ。あと・・・」

「あと・・・?」

「暇なら俺と一緒に個人勢Vtuberしないか?」

「Vtuberってアバターを本人の行動と同じように動かすあの動画?」

「ああ、俺なら絵も描けるし色々勉強したしあとは仲間が必要だと思った」

「それなら高校の友達誘えばいいじゃんどうしてボク?」

「もうすぐ高校が夏休みに入るから他の奴らは部活と大会と遊びがある」

「宿題は?」

「出ない、自主学習」

「高校って課題出ないんだね」

「高校による」

「ボクもお兄ちゃんの高校に行きたい!!」

「なら学校行ってこい。成績、今からだと残り全てオール4取らないと無理」

 うっ、学校は嫌だ・・・でもお兄ちゃんと同じ高校には行きたい・・・

「で、Vtuberの件は?」

「うん、お兄ちゃんと一緒にVtuberしようと思う」

「なら決まりだ。早速、翠里のアバターの姿と性格、設定を決めよう」

「今から!?」

「当たり前だ、俺が夏休みに入ったら始める」

「そう言えばお兄ちゃん今日は結構喋るね」

 喉痛めないか心配

「久しぶりに弟の顔も見れたからな」

「あはは・・・」

 そういえばお風呂もみんなが居ない時に入ってたしご飯もお兄ちゃんがドアの前の置いてくれて部屋の中で食べてたししばらく顔見せてなかった・・・

「まあ俺はもう1台パソコンあるからこっちを翠里の専用にすればお互い部屋から

 話し合いもできるだろうからな」

「なるほど」

「それじゃあ設定はこのパソコンのメールを使うから先に起動しといてくれ」

「はーい」

 お兄ちゃんが部屋から出て行ってからボクは机にパソコンを置いて起動する

 メールってこれかな?

「あ、できた」

【入れたか?】

 お兄ちゃんからだ

【入れたよ】

【よし、それじゃあアバターの設定を考えていくぞ】

【どんなのが良い?】

【とりあえず精霊で人間界を見にきたっていうのが僕はいいかな】

【なら水の精霊にしようか】

【どうして?】

【翠里の翠が水っぽいイメージだから】

 うわぁ、お兄ちゃん雑だなぁ・・・まあそこがお兄ちゃんの魅力だけど

【わかった】

【じゃあ詳細設定はこっちで決めるから次は性格な】

【元気で良いんじゃない?】

【了解、あとはアバターの性別、服装、身長とかだな】

【それはもうお兄ちゃんの好きにしてね】

【了解】

【今日はもう寝ていい?】

【いいぞ。また明日な】

【うん、おやすみなさい】

【おやすみ】

 パソコンの閉じてボクはベットにダイブする

「お兄ちゃんとVtuberか〜楽しみだな〜」

 そのままボクは深い眠りについた。


 〜翌日〜


「おはよう」

「ん〜おはy・・・あれ?お兄ちゃんの声がした」

「俺が部屋にいるんだ当然だ」

「・・・なんで!?鍵閉めてたよね!?」

「・・・開いてた」

「ん〜?・・・あ」

 そういえばお兄ちゃんが部屋から出てから鍵閉めてなかった・・・

「思い出したか」

「お母さん達にはもうVtuberになる事言った?」

「言ってない」

「まさか、秘密にするの?」

「YES」

「それ悪い事だよね?」

「YES」

「バレたら絶対に怒られるよ!?」

「あのクズ親にバレても問題ない。あとお前いじめてた連中特定したから金貯めて

 訴えてやるぜ☆」

「お兄ちゃんが過激思想ブラコンになっちゃった」

「いや、あいつら俺にも関係あるから」

「どうして?」

「あいつらは俺にもしょっちゅう喧嘩売ってたやつだから」

 ・・・つまりお兄ちゃんが卒業したから僕に悪戯が来てそのままいじめへと

「なるほど」

「まぁ、ブラコンなのは否定しない」

「え?それこそ否定しないと」

「だってこんなにかわいい弟がいて守りたいと思うのは当然であって翠里がいじめられていると知った時俺は家にいるクズ親と違って裏から翠里をいじめてた奴らの特定をしていた。だがなかなかわからなかったから学校の防犯カメラをハッキング、そして特定に至った。そして翠里をいじめていた犯人が分かった時に一瞬そいつらを消してやろうかと思ったがそれをしてしまうと不自然にクラスメイトが消えるからまたお前に皺寄せが来ると思って諦めた。もちろんクズ親と先生との会話記録もあるから

裁判になったら安心していい」

・・・・・・・はっ!?あまりにもお兄ちゃんがすらすら喋るから思考が停止してた

「まだ必要か?」

「お兄ちゃんがボクを好きなのはよくわかったから!!!」

「ならいい」

「それですっかり忘れてたけど配信ってどうやるの?」

「もう編集が面倒だからLive配信でいいか」

「え"?初手Live配信なの!?」

「YES」

「うわ〜頑張らないとな〜」

「もう俺の方はアバターもそれの動作も完璧にできたからもう始められる」

「あれ?まだ夏休みじゃないよね?」

「ちょっと昨日のうちにお前のアバターも調子に乗って動作までやっちまったから

もうできる」

「お兄ちゃん何やってるの?」

「すげぇ考えてることがいつの間にか喋ってる」

あれ、ボクさっきどうやって喋ったの?

「それで僕のアバターは?」

「こいつだ」

そしたらお兄ちゃんが僕のPCを開いてファイルに入っていた

その子は髪が水色で、服装が白色と青色の本当に水の精霊さんみたいな子だった

「かわいい!!」

「翠里の好みと翠里の声に合わせて作った」

本当に一晩で仕上げたクオリティじゃないでしょこれ

「動作確認ももうしておいた、結局完璧だった」

「でもボクが女の子のアバターを使うって不思議な感覚がするよ」

「翠里、お前の声は女子みたいに自然に高いから問題ない」

「いつ配信しようかな」

「ご飯食べ終わったら早速やってみようか」

「大丈夫かな?」

「きっと色々と大丈夫だろう」

「初配信楽しみだな〜」

そして久しぶりにリビングに朝ご飯を食べに行った

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