スピランセス

凪 志織

スピランセス

 らせんの花は天を目指し

 空白に紡ぐ物語

 君にあげるって差し出された一つを受け取って

 彩る思い出

 君はもういない 


 なくさないと思い出せない

 君が悪口言われてたこと

 私がただただ無邪気から逃げていたこと


 通りすがっただけなのに

 光り教えてくれるのはたぶん蜻蛉だったから

 勘違いでもいい


 偽善がきっと誰かの怒りをかって

 自由と平等と効率とかなんとかって


 それでも意地をはって

 守ろうとするのだろうか

 誰のために 何のために


 ゆっくりでいい

 ゆっくりでいい

 そう信じられるのは

 大人になったら気づかないほどの

 空目指す小さな花の

 思い出を

 君はくれたから

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スピランセス 凪 志織 @nagishiori

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