プロイェークト・モナーク

@Viper_118

プロローグ 惑星ロージナ

 惑星ロージナ祖国。気温が低く、人が生きるには少し苦労するが、広大な土地と豊富な資源、美しい自然を持つ星である。そのロージナを司る国家、ゼリョーヌィフは、社会主義の共和国連邦である。ロージナの過酷な環境で生き延びるには、国民一人ひとりが互いに支え合い、団結することが不可欠であったのだ。

 

 とはいえ、そう簡単にうまくいくことではない。ソ連をルーツに持つ彼らはそのことをよく知っている。

先祖達の二の舞になるのを恐れた彼らは、豊富な資源を活かし、兵器を大量に生産して、戦争に備えた。

 それだけではない。彼らは新たな技術を兵器に利用した。

それは、「ニューラルリンク技術」である。名前の通り、脳や神経を機械と接続して、電気信号を使って操る技術だ。本来は義手や義足のために研究されていた技術であったが、兵器を接続することで、たとえ操縦が困難な兵器であっても、自分の身体のように操ることできた。この技術による操縦性の向上と事故率の低下は、軍の想定を上回る成果を生んだ。ハンドルや操縦桿に頼る従来兵器は、急速に旧式化していった。


 星界歴十八年、これらを利用して、ゼリョーヌィフは近隣の惑星に侵略戦争を開始した。

豊富な資源だけ持っていても意味がない。国家の存続には、人材と住みやすい土地が必要だと考えたのだ。高度な技術と大量の兵器による人海戦術を前に、多くの星が彼らの手に落ちた。ある星はゼリョーヌィフの一部に。また、ある星はその属国に...

こうして彼らは、順調に国力を高めていく――はずだった。

星界歴四十年、西側諸国をルーツに持つ人々の国家、フェルネランドが宣戦布告をするまでは...

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