第3話 部活は私の居場所
どうもみなさん部活は好きですか?私は好きです。部活にはマジな女それが私ひなちゃんです。どうしてこんなテンションが高いかって?授業が終わりこれから部活だからです。
「久々の部活だ!」
「今日はうざいくらいテンション高いね」
「部長!優ちゃんの方がいい?」
「優ちゃんは黒歴史だからやめてくれない?」
「まだ昨日の事じゃん。それに新入生にも人気になれたんでしょー。」
「おかげさまで」何か怒ってるように感じるけど一旦無視しよう。
「それで今日は何やる?いつもの?」
「いえ今日は新メンバーの歓迎とこれからの予定について打ち合わせしたいと思ってるよ」
「月華ちゃんが連れてきてくれた2人?と月華ちゃんかな?」
「それともう1人だよ」
「そっかそっか……嬉しいねまた人増えてくれて!」
「そうだな。」
「失礼します。」
「やっほー月華ちゃん!授業お疲れ様!」
「陽奈先輩テンション高いですね」
「今日は部活だからね!」
「「これからよろしくお願いします。」」
2人揃って来たのは月華ちゃんのお友達の小豆あずきちゃんと莉緒りおちゃんだ。
「もう16時だけどもう1人は?」こそこそ部長に聞いたけどおかしいなって部長の表情が返って来た。
「時間だし一回始めよっか」部長がそう言ってみんなを席につかせた。
結局もう1人は来なかった。
それからは軽く自己紹介をして練習ある日とない日、合宿の話と大会の話、小豆ちゃんと莉緒ちゃんは試験の対策とか過去問を渡して分からないところあったらなんでも聞いてと話して部活は終わってしまった。がっかりである。
私にとって部活は自己肯定感を高めてくれるものだ。学校の成績もそこまで良くないしモテるわけでもない、たぶん。だからこそ部活の時間は楽しい、ここなら居てもいいって思えるからだ。
一年生の時は団体で全国ベスト16位だった。自慢である。
そんなことを考えながら自主トレをする事にし、トレーニングルームに来た。部活がほとんど消化不良だったためにストレス発散みたいなものだ。
魔力を思い切りぶつけてもいい的が置いてあるのが魔法高校や大学のトレーニングルームの特徴である。魔力だけを吸収する石?でできてるらしい。
空気を圧縮する必要がない分魔力を出すだけなら無詠唱で簡単にできる。どんどん的に魔力をぶつけていく。
楽しい。めっちゃクチャ楽しい。
トレーニングルームには人集りができていた。
やっぱ凄い、陽奈先輩。
魔力をぶつけるだけなのに色々な方法でぶつけていた、魔力が曲がったり急に加速したり、放射状に拡散したり。私には到底真似ができない。
かっこいい。好き。楽しそうに笑ってるのはすごく可愛い。好き。たまに泣き虫なのが守ってあげたくなる。好き。
頭の中で好きっていうだけで鼓動が早くなった。昨日あんな事したのにまるで意識してないように見えるのは少し寂しい。私はずっと陽奈先輩の事ばかり考えている。私も大会がある事なんか忘れて。
結構頑張ったなと我ながら思う。混んできているみたいなので、帰る事にした。
「ただいま。」
「おかえり先輩。」
「帰ってきたら誰かいるって幸せだね」
「私も先輩がいたら幸せです」
「月華ちゃん私の事好きすぎじゃない?」
「普通です」
「そかそか、じゃあ汗かいたからシャワー浴びてくるね。」
月華ちゃんはコクりと頷くと顔を真っ赤にしていた。何だか昨日の事を思い出して冷や汗が出る。
陽奈先輩がシャワー浴びてる!!
すごく覗きたい。昨日は緊張して不安になって先輩に迷惑かけた。
昨日みたいに変な空気にして先輩を困らせるのは嫌だ。前は先輩の事を考えると体が動いた。同じ学校に行きたい資格を取るぞ。とかそんな風。
今は先輩ともっと仲良くなるには、どうしたらいいの。私の事好きになって欲しい。嫌われたくない。
前から比べたらすごい進歩だ。お姉ちゃんから、話を聞くだけ、遠くから眺めるだけとは違う。
すぐそこでシャワーを浴びてる。私は前に進むんだ。
「月華ちゃん!?」
「……あの背中流します。」
こういう時どうするべきなのか分かる人居ませんか?知恵袋にそう書き込みたくなる。なるべく1秒で答えが欲しい。チャッピーに聞こう、いやここはお風呂だ。スマホもパソコンもない。
「先輩お疲れだと思って背中だけ流したらすぐ出ますから」
「じゃあ……お願いしようかな。」
少し悩み、流れに身を任せる事にした。昨日みたいに私が暴走しなければいいだけの話なのだ。
「今日の部活どうだった?」
「まだ、あんまり分からなかったです。」
「なんか打ち合わせみたいな感じだもんね」
「先輩がテンション高いのがすごく可愛かったです。小豆も莉緒も言ってました」
「そ、そう」私案外可愛い説が浮上するが鏡越しに月華ちゃんと私を見ると、そうは思えなかった。
「先輩、綺麗になりましたよ。」手つきがなんかいやらしいけど押しこらえた。
「ありがとね」
「良かったら前も」
「それはいい!!」
はーいと少し不満そうに出て行った。あの子は、私を多分……えっちな目で見てる。
同室で本当に平気なのかな?
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