第2話 私ってほんとバカ
私は月華ちゃんの胸を揉みしだいていた。止めないといけないのに。手が離れない。
気づけば月華ちゃんも私の胸に手を伸ばしていた。
「ちょっとまって何触ってるの」
よく考えたら私が言えた立場ではない。
でも恥ずかしいしやめて欲しいのだ。
「私の事受け入れてくれたんじゃないんですか」
確かになんかドキドキしてたけど。
「なんて言うかその…のぼせただけ!
気持ちは嬉しいけど私にはまだそういうのは早いっていうか」
「陽奈先輩は胸を揉みたかっただけなんですか?」
……何も言い返せない。
「ぜんぜんそんな事ないから、安心してね。とりあえずお風呂でよ?のぼせちゃったよ」
「はい……」
逃げなかったらどうなっていたんだろう。
どうしよう気まずい。髪が月華ちゃんより短い私は先に寝室に移動していた。明日から部活もあるのに…このままじゃまずい。「あ、そうだ先輩に電話してみよう」
「菜月先輩お久しぶりです」
【まだ1ヶ月くらいだよー】優しい声がとても落ち着く懐かしい感じがする。
「その相談があって」
【月華の事?】
「なんで分かるんですか!?」
【そりゃーね妹だし、大事な後輩だし分かるよ】
「先輩大好きです愛してます。これからも大事にしてください。」
【はいはい、それで何喧嘩でもした?前は仲良かったよな?】
「その月華ちゃん私の事好きみたいで色々あって気まずいといいますか」
【私の妹に手を出したのかよ】
「手は出してない……です」
【その間はなんだよ】笑い声が聞こえて安心しつつ手は出してない?はず?と振り返ったら柔らかい感触を思い出してしまった。先輩ごめん手を出したかもしれません。
「どうしたら、仲直りできますかね」
【月華は陽奈の事好きだからな
……キスでもしたら機嫌治るかもよ】
「キスねぇ、そろそろ月華ちゃんドライヤー終わりそうなのでまた」
【陽奈同室なのかっ】
あっ切っちゃった。何か言いかけてたけどまあ今度謝ればいいか。それより月華ちゃんだ。
「ドライヤーお疲れ様。長いと大変だよね。」
「陽奈先輩は去年まで長めでしたよね」
「そーだね…」
「何かあったんですか?」
結構グイグイ来るなこの子さっきまで、胸触られてたの忘れたのかな。
「あーなんていうか失恋?みたいなやつだよ」
本当は、まだ自分でもよく分かってなかった。
「あの私の前でそれ言いますか?胸を触るだけ触って振っておいて」
「あ、その振ってないよだからその大丈夫なはず……」
「私も傷つきますよ」
「ごめんって。……」さっきの先輩の言葉が響いたのか変なことを考えてしまう。私のキスなんて誰が喜ぶんだろう。
月華ちゃんに嫌われた時のことを考える。
それはなんか全部辛そうだ。何より部活が廃部になっちゃう。
「あのさ怒ってるよね。」
「曖昧な態度取られたら誰でも少しはムカつきます。」
「何したら許してくれる?その同室だし気まずいままじゃいられないでしょ。私にできる事ならするからさ。」
「キスして欲しい…です。」
姉妹揃って考えること同じなのか。すごいな。
「長めだと嬉しいかもです。」
冗談なのか本気なのかが分からない。
ゆっくり腰を上げ座ってる月華ちゃんの前に行く。
「え?」
「そろそろかな」
「はぁ…はぁ」なんか色っぽいな月華ちゃん
「許してくれるよね?」
「は……はい……」
「良かった。」少しだけ、安心した声だった。
「キスしたかいあったよ。そろそろ寝よっか。」許してくれたみたいだけど寝るまで何も話してくれなかった。
「ほんとにするの」
なんか聞こえた気がするけど気のせいだろう。引っ越し作業といい、疲れたが溜まっているんだと思う。早く寝よう。
「おやすみ」そう言って私はベットに潜る。
私は夢を見た。何回見たか分からないくらいの夢だ、去年部活の大会は私のせいで負けた。
その時の夢だった。私は挫折しかけ、泣いてる時に菜月先輩が私の顔も見ずにずっとそばで頭を撫でてくれたんだ。辛いようなだけど幸せのようなよく分からない夢だ。
朝私は6時に起きた。月華ちゃんは先に起きてもう準備を済ませていた。
「姉妹揃って朝強いんだ」
「おはようございます陽奈先輩」
「おはよ月華ちゃん」良かった機嫌直してくれてそうだ。ふと思い返すと昨日の私はやばかった。胸をもんだりキスしたりとほんとバカだな私
「先輩顔赤いですけど風邪ひきました?」
「ひいてないと思うけど一応測っとくね」顔赤くなってるらしい恥ずかしいな。月華ちゃんはケロッとしてて、なんだか私ばかり意識してる気がしてしまう。
「熱なさそうで良かったです。」
「ほんとね!春休み明け入学式も新歓も終わったから、今日から授業と部活だね」
自己紹介とか苦手だなと思いながら適当に挨拶する。
「白凪月華ですよろしく」
そのまま座り窓の外を見る。陽奈先輩は今何してるのかな。昨日は凄かったな夢みたいだった。月華ちゃんって呼ばれるだけで幸せなのにあんな激しいキスして、寝られる訳がなかった。
授業1日目から、幸せそうに眠る女の子として、
校内でちょっとした有名人になったのでした。
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