第3話 白い服の男
舞台は「ベニス座」の稽古場。
奥さん(主演女優)が舞台中央でセリフを練習しているが、アントニオは電話で
融資の件を劇団員に説明中。
アントニオ(電話)
「肉一ポンドって何キロ?……いや、焼肉じゃないと思うけど……」
その会話が、劇場に仕掛けられた盗聴器を通じて忠誠監視局に筒抜け。
監視局員がメモを取る。
監視局員(小声)
「暗号だな……『肉一ポンド』は反逆の合図だ。」
(観客笑い)
奥さんが電話を切ったアントニオに詰め寄る。
奥さん
「ねえ、次の芝居、私が主役よね?」
アントニオ
「もちろん……でも、今それどころじゃ……」
奥さんは腕を組んで睨む。
奥さん
「国家?監視?そんなのどうでもいいの!舞台が命なの!」
シーン2:ジェシカとロレンツォの暴走
カフェでジェシカとロレンツォが密会。
ジェシカ
「今夜、国外脱出よ。笑わないでね、見つかるから。」
ロレンツォ
「笑わないよ……でも、君の父さん、怖そうだな。」
ジェシカはため息。
「怖いけど、抜けてるのよ。契約のことしか頭にないんだから。」
プルルルル
店の電話が鳴る。
ボーイが「あんたに電話だ、こい!」と言っている。
ロレンツォ(電話)
「あっ、すいませんお借りします・・・
アントニオさん?
・・・はい、はい…
「肉一ポンド」は何キロだ?
焼肉ですか?すき焼きですか?
なんのレシピなんです??
そんなの知りませんよ!!
とりこみ中なんです、切りますよ!」
ガチャ
ツー
ジェシカ
「肉一ポンドって何なの?」
その会話も盗聴され、監視局は「国外脱出計画」を察知。
監視局員がメモ。
監視局員
「国外脱出……肉一ポンド……これは大規模な反逆だ。」
(観客笑い)
シーン3:シャイロックの演説
シャイロックが契約遵守課で部下に演説。
シャイロック
「笑いは国家を腐らせる!
芝居は笑いを生む!
だから芝居は国家の敵だ!
……だが、契約は国家の味方だ!」
部下たちはポカン。
シャイロックはさらに熱弁。
シャイロック
「私は昔、契約遵守推進協会にいました。
笑顔マークを契約書に入れた社員を懲戒処分にしようとして追い出されたんです!
笑顔は秩序の敵だ!」
(観客爆笑)
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