「かわいそうな子供を救いたい」
その純粋な思いで行った施しが、子供を暴力の標的に変えるとしたら?
「児童労働をなくしたい」
その正義感で行った是正措置が、少女をより過酷な貧困へ突き落とすとしたら?
日本の外交官・相馬タケル。
アフリカの赤土の大地から、アジアの喧騒の都へ。
彼が赴任地で目にするのは、教科書通りの正義が通用しない残酷な現実と、それでも泥の中で生きようとする人々の強さだった。
安全なガラスの向こう側から飛び出し、傷つき、悩み、交渉し、彼がたどり着く「100点満点ではないけれど、明日へ繋がる答え」とは――。
綺麗事では世界を変えられない。けれど、諦めるにはまだ早すぎる。
すべての「働く大人」と「世界を知りたい人」に贈る、社会派お仕事連作短編集。
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