第5話 失恋と未来への光

夜。

美咲は床に座り、泣いている。

理由は聞かない。

意志の問題に、理由は不要だ。


私は彼女の前に座る。

目を見つめる。

短い手で、頭をポンポンと撫でる。


彼女の中で、表象が崩れ、意志が露出している。

それは痛みを伴う。

だが、生きている証拠でもある。


しばらくして、彼女の呼吸が整う。

私は丸くなる。

眠気が来る。


思考は、眠りの前で手放すのがいい。

カーテンの隙間から、朝の光が差し込む。

床に、細い線が引かれる。


私はその中で、目を閉じている。

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