コーヒーと未来をつなぐ少年

渡良瀬みなみ

プロローグ

あくまでこれは、僕が見ていたパラレルの世界での話だ。

 僕はある喫茶店で、コーヒーを片手に本を読んでいた。大正時代から代々受け継がれてきた喫茶店であった。僕は、本のページをさらりとめくる。その紙と紙の擦れる音が、かすかに、でも心地の良い音で、耳の鼓膜を刺激した。

 そういえば、僕が今座っている席で、本をめくる音が聞こえたとき、一週間だけ未来に移動することができるという。まるで、ドラえもんもしもボックスとタイムマシーンを掛け合わせたかのような感じだ。

 そう、今この本のめくる音が聞こえたということは、僕は今から一週間のうちは未来へ移動することができるのだ。

 僕は、ふと目を閉じて心の中でつぶやく。「コーヒーで世界は変わる」と。

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コーヒーと未来をつなぐ少年 渡良瀬みなみ @Minami1108

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