バナナの味

朝起きて外を見てみると、外は朝で俺はまだ生きていた。


ボンヤリとまだ起きていない頭に供給する酸素を取り込むためにあくびを一つ。


憂鬱が目を覚ますまでのほんの数十秒。


世界がきらめいて見えた。すがすがしい朝を感じる。カーテンを開けて目覚ましをみる。まだ目覚まし時計も起きていない朝。



冷たい空気の朝。外はもう明るかった。太陽だけはあつかった。


俺は鏡に向かって歯を磨くとそのまま髭を剃った。

鈍くなった切れ味のカミソリで顎を切ってしまった。

滲む血を何度か指で擦るがいっこうに止まらないので、もう、そのまま放っておく。

指先についた血をこすり合わせて水で流した。


俺の血は臭くて水は冷たかった。


バナナを房から千切って皮を剥いて頬張る。

朝食はバナナ一本で十分。

ところどころ黒くなった腐りかけのバナナは甘みが強くもったりとした匂いが鼻から抜ける。


もごもごと咀嚼しながら。バナナは腐りかけが一番うまいと誰かが言っていたなと思い出す。

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