第4話
佐江島 萌理さんがセンターの4人組アイドルグループの名前は、STARZM・4(スターゼモフォー)で、星で絶対萌え死の意味なんだそうだ。
今や、国民的アイドルグループにまで登り詰めている、日本では知らない人はいないだろう。
正直、嬉しい。
佐江島さんと一緒に、これから海上浮上都市アトランティスへ行くのだから。
そこでは今朝、テレビでやっていた。全世界最大級のフェス T.W.A.F(ザ・ワールド・アイドル・フェスティバル)2030が開催している。
テレビでは、ほとんど観ていなかったが、かなり大きなフェスなのだ。
だが、なんで二周間後にイカ釣り船に乗るはずの俺が、こんなところにいるのかという疑問は今でも残ったままだった。
「それにしても、海野くん。海野くんの妹さんも可愛いわね」
「へ? そうか?」
「へへーん!! ニコニコ、ニコ、ニコニコニコニコ」
「あら? ほんと笑顔も可愛いわね!」
妹がニッコリ笑って、ガラステーブルに映る自分の顔を覗いた。
「クスクス……あ、それはそうと、海野くん。ありがとね。一緒にアトランティスへ行ってくれて」
「へ? あ、ああ。任せとけって……そうだー! 記憶が蘇ってきたぞ! あんまり色々あるんで、忘れてたーーー! あの後、佐江島さんにのこのこついていったら、そのまま飛空船に乗ってしまい。船が突然発進してしまったんだった!!」
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