第2話
私の家系は、代々こちらのウエスト家の使用人をしています。父は長年、奥方様の尿筒係としてお仕えしてきました。
私は、生まれたときから、次に生まれてくるお嬢様にお仕えすることが決められていました。
私が三歳になったころにシャーロット様がお生まれになり、私は父に呼び出されて、自分の仕事について知らされました。それ以来、自分の主人はどのような方なのか、お嬢様に会える日を心待ちにしておりました。
私たちが初めて引き合わされたのは、お嬢様が五歳の頃でした。
お屋敷にご挨拶に伺った私の前に、薔薇色の丸い頬をした女の子が現れました。まだ髪の毛を下ろし、短いスカートを履いていて、天真爛漫な笑顔を私に向けてくださいました。天使のような愛らしさに、私は一瞬にして虜になりました。
「あなたがウィリアム? わたしのおトイレね」
お嬢様は幼い声で言うとスカートの前を持ち、おへその上まで捲り上げました。当時のお嬢様は、おしっこがしやすいように、まだ中に何も身につけておらず、つるつるの下半身が露出されました。
「あなたが来るまでがまんしてたの」
初めて見た異性の身体に驚き、ぽかんとしていた私に向かって、勢いよくおしっこが放出されれました。
こんな天使のような女の子でも、おしっこをするのか……。
わかっていたはずなのに、視覚的な衝撃にしばしあっけに取られ、私はしばし呆然としてしまいました。仕事を思い出し、慌てて筒を股間に当てようとしましたが時すでに遅く、おしっこは勢いよく前へ飛び、お嬢様の前で膝をついていた私の顔にかかり、熱い体温が頬を流れていきました。
「うふふ! かかっちゃったわ」
ぽかんとしている私を見て、お嬢様は無邪気に笑い声をあげました。
それが、私たちの初めての放尿でした。
その日から私たちは二人で、尿筒を扱う練習を始めました。
おしっこがしたくなると、お嬢様は私の手を引いて中庭へと連れていきます。
「よく見ていてね」
草むらで、スカートを抱えてしゃがみこんだお嬢様の向かい側で、私はおしっこの出る場所をよく観察することになりました。
男のものと違って、隠れている場所からおしっこが出てくるのは、神秘的な光景でした。勢いよく描かれた尿の飛沫が日の光できらきらと輝き、神々しささえ感じました。
ある日、おしっこを終えて立ち上がったお嬢様は言いました。
「ねえ、あなたのも見せてちょうだい」
「えっ……?」
「ほら、早く!」
「あ、シャーロット様……!」
お嬢様は、戸惑う私の隣に立って股間に手を伸ばし、私のおちんちんをズボンの中から引っ張り出しました。お嬢様に触れられた瞬間、私のそれは、じんと熱くなりました。
「おしっこを出してみて」
「あっ……」
出すつもりなどなかったのに、下着から解放されたおちんちんは、反射的に放尿を始めてしまいました。
ちょろちょろと、おしっこが足元に溜まっていく様子を、お嬢様は面白そうに眺めていました。そして、全て出し終えると、手の中のおちんちんをしげしげと観察し、尿道の割れ目を、小さな指でつつきました。
「ふうん、ここから出るのね」
その瞬間、私は腰が抜けるような痺れを全身に感じました。精通前のことで、そこからはまだ何も出ませんでしたが、強烈な快感でした。
自分に何が起こったのか、当時はわかりませんでしたが、なんだかいけないことをしてしまったように感じた私は、帰って父に仕事の報告をするときも、このことは言えませんでした。
立ったままおしっこをする練習も始めました。
お嬢様にはスカートを上げたまま持っていただき、尿筒を当てておしっこを出していただきます。
最初のうちは、角度が悪く前に飛んでしまったり、脚を伝ってしまったり、なかなかうまくいきませんでした。
そのころのお嬢様は、おむつが外れたばかりの子供です。尿意を感じたと思った瞬間におもらししてしまうことも、よくありました。
こっそりとお拭きし、着替えさせるのももちろん私の仕事です。一日に何度もそれを繰り返したこともありました。
私は、そうして身を任せてくださることに、誇りを持って仕事に励みました。
ですが、当時のお嬢様はずいぶんやんちゃでいらっしゃいました。散歩をすることになっていた午前中は、庭山を駆け回って過ごされていたものです。
おしっこの練習も遊びと捉えていたのか、私に脚を抱えて抱っこさせ、おしっこを遠くまで飛ばす研究をされていたり、どっちが遠くまで飛ばせるか競争だと言って、並んでおしっこをさせられたこともありました。
私がわがままを聞かないと、わざとおもらしをされることもありました。
「ウィル、おしっこ。お部屋にもどる」
昼食後、私が勉強部屋にお連れする途中、お嬢様はそう言います。
普段、お屋敷の中では尿筒の練習のために物陰で使用するようにしていましたが、お嬢様はまだ自室で座ってできるトイレでおしっこをする方が、安心できるようでした。
ですが、このタイミングで言い出すのは、読み書きの家庭教師から逃げたいがため。以前も同じことを言い、私を部屋の外で待たせておいて部屋の窓から抜け出したことがありました。それ以来、私はお嬢様から目を離さぬよう固く言いつけられていました。
「いけません」
私はお嬢様の手を引いて、勉強部屋に連れて行こうとしました。
「やだ、もれちゃう〜!」
お嬢様は抵抗し、これ見よがしに、空いている手でスカートの上から股の間を押さえました。
「では、そちらのカーテンの裏でいたしましょう」
お屋敷の廊下には大きな窓が並んでおり、カーテンならいくらでもあるのです。ここでおしっこをするのも勉強のうちです。
「いじわる! もういい!」
お嬢様が頬を膨らませたかと思うと、チョロチョロと音がして、仁王立ちした足の間から、おしっこが流れ出しました。
「ああ、お嬢様……」
私は頭を抱えながらも、心の中では笑ってしまっていました。
なんだかお嬢様が手のかかる妹のようで、遠慮なく私にわがままを言うのが、かわいく見えたのです。
両親とは離れた子供部屋で、使用人たちに育てられるお嬢様には、私が一番家族に近いと思われているのだと感じ、ずっとこのままの日々が続けばいいのにとさえ思ったものです。
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