第17話

日本政府の反応


四本目の動画が投稿された数時間後、内閣官房地下の会議室。


空気はこれまでで最も重かった。


映像には――

白銀の聖剣と聖鎧。

対峙するのはフレイムドラゴンとレッドドラゴン二体。


防衛省幹部。


「ドラゴン?ゲームや映画、小説でしか見たことない。しかも……三体同時か」


映像が進む。


炎のブレス。

火炎魔法。

爪と尾の連続攻撃。


それを――

完全に防ぎ切る人影。


「被害ゼロ……?」


防衛技術研究本部。


「聖剣による斬撃、防御結界、対ブレス用の魔法……」


「単独で対ドラゴン戦が成立しています」


経産省が宝箱の映像で止める。


中から取り出される鈍く白く輝く巨大なインゴット。


「……アダマンタイト」


室内がざわつく。


「ミスリル」

「オリハルコン」

「そしてアダマンタイト」


官房長官。


「神話級金属、三種目だ」


「しかも今回はドラゴン素材まで付属している」


結論。


「この人物はもはや“個人”という枠を超えている」


「だが敵対は論外だ」


日本のニュース、夜の特番


画面いっぱいに映る、

巨大なフレイムドラゴン。


ナレーション。


「正体不明のダンジョン探索動画、四本目が公開されました」


テロップ。

『ドラゴン三体 vs 正体不明の剣士』


映像。

・炎で赤く染まる戦場

・聖剣の一閃で断たれる翼

・魔法と剣術の同時運用

・レッドドラゴン二体を瞬時に撃破

・フレイムドラゴン討伐


キャスター。

「今回の動画ではいわゆる“最上位幻想種”ドラゴンが討伐されました」


専門家。

「一体でも国家戦力級です」

「それを三体、単独で」


別の専門家。

「さらに注目すべきは報酬として出現した“アダマンタイトのインゴット”です」


テロップ。

『最硬金属、現実に?』


司会者。


「もうRPGじゃないですよね」


コメンテーター。


「聖剣でドラゴン斬ってアダマンタイト出てくる世界です」


「しかも無傷」


街の声。

「ドラゴンって本当にいるんだ……」

「剣が神々しい」

「素材の方が怖い」


日本ネットの反応


動画サイト コメント欄

「聖剣かっこよすぎ」

「白銀の鎧が眩しい」

「ドラゴン三体は反則」

「炎効いてないのおかしい」

「聖剣バフやば」

「ドラゴン瞬殺で草」

「宝箱、期待裏切らん」

「アダマンタイト!?!?」

「最硬金属きたな」

「もう素材博覧会」

「剣も素材も神話級」


SNS、掲示板

「四本目で完全に神話突入」

「聖剣×ドラゴン=最強」

「ドラゴンが弱く見えるのおかしい」

「アダマンタイト現実はヤバい」

「加工できたら文明変わる」

「ミスリル→オリハルコン→アダマンタイト」

「順番が完璧すぎる」

「世界観ガチすぎ」

「政府、胃痛だろこれ」

「でも場所分からんのが最強」

「四本目は格が違う」

「ドラゴン素材の価値やばそう」

「血、鱗、牙、爪……全部国家案件」

「アダマンタイト精錬済み確定」

「もう素材図鑑動画」

「剣も鎧も神々しい」

「聖剣って対ドラゴン特効だよな」

「これ売られたら世界経済壊れる」

「でも一切売る気配ないのが怖い」

「ダンジョン主導権完全に向こう」

「この人が敵だったら詰んでる」


総評


四本目の動画で日本社会の認識は完全に固まった。


特に聖剣によるドラゴン討伐。

アダマンタイトのインゴット。

ドラゴン素材の存在。


これらは「もし一般人が入れるなら」という想像を一気に現実へ引き寄せた。


人々はまだ知らない。

このダンジョンが日本人専用であることを。

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