第14話
画面は暗い。
光源は遥斗が身に纏う漆黒の魔鎧に刻まれた淡い紫紋様だけだ。
「今回は……40階層だ」
声だけ静かに響く。名も場所も説明しない。
カメラが旋回する。
装備紹介
右手:漆黒の魔剣
刀身は光を吸い込むように黒く魔力が脈動している
全身:魔鎧
重装でありながら動きに一切の鈍さがない
「今回は魔法戦になる」
それだけ告げ歩き出す。
40階層・ボス部屋
扉が開く。
冷気と死臭。
玉座のような魔法陣の中央にエルダーリッチが浮かんでいる。
禍々しい杖を掲げ空間そのものが軋む。
――戦闘開始。
魔法戦、エルダーリッチが詠唱する。
高位死霊魔法
範囲殲滅魔法
即死級呪詛
同時に骸骨騎士、死霊獣、影の魔物が次々召喚される。
空が魔法で埋まる。
しかし――
遥斗は動かない。
静かに詠唱。
重ね掛けされた魔法陣が瞬時に展開される。
防御魔法
魔法耐性強化
魔力増幅
魔剣起動
魔剣が低く鳴く。
放たれる魔法。
エルダーリッチの魔法を正面から打ち消し上書きする。
召喚魔物は魔剣の一振りでまとめて霧散。
近接と魔法が完全に融合した戦闘。
リッチの杖が砕けコアが露出する。
最後は――
魔剣による一閃。
エルダーリッチは完全消滅。
撃破・宝箱
沈黙。
数秒後、重厚な宝箱が出現する。
中身を一つずつ映す。
高ランクの杖
高ランクのローブ
各種高位ポーション
魔導具
オリハルコンのインゴット
スキルスクロール複数
「……以上」
余計な説明はない。
出口へ向かう途中ふとカメラを見る。
「次はまた別の戦いになる」
それだけ残し映像は途切れる。
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