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ベッドに腰を下ろすと、今日のノートをひざの上に広げる。
ページには、フランダーの動き、耳や尾の角度、鼻先の微かな揺れ、無意味に見える探索行動まで、細かく書き込まれている。
彼女は、目を細めて文字を追う。
一日の行動を、ただ記録するだけではない。
そこから、犬が何を考え、何を望んでいるのかを読み解こうとする習慣だ。
今日は窓際での匂い嗅ぎが多かった。光の入り方や外の匂いの変化に反応しているのだろうか、と考えながら、ページの余白に小さなメモを書き足す。
「刺激の少ない環境での探索は、自己完結型の学習かもしれない」
静かに、でも確信を持ってそう書き込むと、肩の力が少しだけ抜ける。
眠気が徐々に瞼を重くする中で、今日の観察分析を振り返る。
ノートの中にあるのは、犬の一日の縮図であり、同時に自分自身の思考の軌跡でもある。
彼女は鉛筆を置き、ノートを閉じる。
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