Interlude.1 ぽぷらん、火のそばで眠る

孝平が火を見ていると、草の間からぽぷらんが現れた。


今日は、干し実をくわえてすぐには帰らない。

火のそばに、ちょこんと座り込んで、

湯気の立つ器をじっと見つめている。


孝平は、そっと器をもうひとつ出した。

湯を少し注ぎ、干し実をひとつ浮かべる。


ぽぷらんは、それを見て、

くん、と鼻を鳴らした。


そして、器のそばで丸くなり、

目を閉じた。


孝平は、火を見つめながら、

ぽつりとつぶやいた。


「……眠るのか」


返事はない。

けれど、火の音が、やさしく包んでいた。



【後書き】

本編の合間に、ぽぷらんの“眠る姿”を描いた閑話です。 火のそばで器を分け合い、 ただ静かに、安心して眠る――

そんな時間が、この世界にあることを願って。

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