REVENGE⛓️‍💥CHAIN 400字以上1万字以内の短編

鷹山トシキ

第1話 ​凍てつく街

 舞台は栃木県宇都宮市。かつて栃木県警の敏腕刑事だった**日向隼人ひゅうがはやと**は、現在は工場を渡り歩く派遣社員として、餃子通りの裏路地にある安アパートで息を潜めるように暮らしている。

 ​彼が職を辞した理由は、上司からの凄惨なパワハラだった。執拗な嫌がらせの末、日向は精神的に追い詰められ、さらには彼を庇った後輩が不審な自殺を遂げた。組織の闇に敗れた日向は、すべてを捨てて「死んだように」生きていた。

【第一の鎖:引き金】

 ​ある夜、日向のもとに一通の封筒が届く。中には、かつて自分を追い詰めた元上司・九条が、宇都宮市内の廃ビルで無残な遺体となって発見されたという新聞記事の切り抜き。そして、一枚のメモ。

​「次は、君の番だ。」

 ​九条を殺害したのは、かつて九条のパワハラによって人生を狂わされた別の人間の犯行だった。しかし、その犯人もまた、何者かによって殺害される。

【第二の鎖:連鎖する憎悪】

​ 日向は元刑事の血が騒ぎ、独自に調査を始める。判明したのは、宇都宮の街に根を張る**「復讐代行ネットワーク」**の存在だった。

​ 

 ルール: 誰かの復讐を遂げた者は、次にリストに載った別のターゲットを殺害しなければならない。

​ 断れば: 自分が「復讐される側」に回される。

​ 日向がターゲットに選ばれた理由は、彼が過去に逮捕した男の遺族が、日向を「恨みの連鎖」の中に引きずり込んだからだった。

 大晦日、二荒山神社の石段。雪が降り積もる中、日向は自分を狙う「連鎖の最後の一人」と対峙する。

 復讐は正義なのか、それともただの呪いなのか。日向は銃を構えながら、自分がかつて信じた「法」と、目の前にある「絶望」の間で揺れ動く。

​「俺がこの連鎖を断ち切る。……たとえ、俺が地獄へ落ちることになっても」

​■ 主要キャラクター設定


 

 日向 隼人 主人公 元刑事。鋭い観察眼を持つが、パワハラのトラウマで左手が震える。


 九条 憲武 元上司 日向を壊した張本人。物語の開始直後に殺害されるが、その死が連鎖を呼ぶ。


 マユ 情報屋 宇都宮のオリオン通りで占い師を装う謎の女性。ネットワークの末端。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る