一寸法師~心の大きさ~
山下ともこ
第一章:一寸法師の前世
昔々、ある村に、一人の男がいました。
その男は、体は人より大きく、力も強く、知恵も深く、
すべてにおいて、人より勝っていると思われる存在でした。
しかし、彼はその力と知恵を誇りに変え、高慢になり、
周囲の人々を見下すようになっていきました。
「なんだ、その程度の仕事もできないのか?」
「ふふん。俺なら簡単にできるぞ」
努力をせず、何でも簡単に成し遂げられる自分に酔いしれる日々。
やがて、男の周りから人は離れ、自慢できる相手もいなくなっていきました。
けれど、彼の心に反省は一切ありません。
「ふん!皆、俺に嫉妬しているだけだ…」
ある日、山道で小柄な男性が重そうな荷物を運んでいるのを見かけます。
男は鼻で笑いながら言いました。
「なんだ、そのへっぴり腰は。
貸してみろ。その程度の荷物なら俺に任せろ」
そう言って荷物を取り上げた瞬間、
予想以上の重さに足がもつれ、男は山道から転落してしまいました。
谷底へ落ちていく中、最後に目にしたのは、
自分に向かって、必死に手を伸ばす小柄な男性の顔でした。
暗闇の中、男の耳に声が響きます。
「せっかく恵まれた体も頭も持っていたのに、心は未熟なままだったな。
やり直してこい!」
眩しい一筋の光が差し込み、男の魂は新しい命に導かれます。
そして、彼は一寸法師として再び生を授かることになったのでした。
つづく~第二章へ~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます