一寸法師~心の大きさ~

山下ともこ

第一章:一寸法師の前世

昔々、ある村に、一人の男がいました。

その男は、体は人より大きく、力も強く、知恵も深く、

すべてにおいて、人より勝っていると思われる存在でした。


しかし、彼はその力と知恵を誇りに変え、高慢になり、

周囲の人々を見下すようになっていきました。


「なんだ、その程度の仕事もできないのか?」

「ふふん。俺なら簡単にできるぞ」

努力をせず、何でも簡単に成し遂げられる自分に酔いしれる日々。


やがて、男の周りから人は離れ、自慢できる相手もいなくなっていきました。

けれど、彼の心に反省は一切ありません。


「ふん!皆、俺に嫉妬しているだけだ…」


ある日、山道で小柄な男性が重そうな荷物を運んでいるのを見かけます。


男は鼻で笑いながら言いました。

「なんだ、そのへっぴり腰は。

 貸してみろ。その程度の荷物なら俺に任せろ」


そう言って荷物を取り上げた瞬間、

予想以上の重さに足がもつれ、男は山道から転落してしまいました。


谷底へ落ちていく中、最後に目にしたのは、

自分に向かって、必死に手を伸ばす小柄な男性の顔でした。


暗闇の中、男の耳に声が響きます。


「せっかく恵まれた体も頭も持っていたのに、心は未熟なままだったな。

 やり直してこい!」


眩しい一筋の光が差し込み、男の魂は新しい命に導かれます。


そして、彼は一寸法師として再び生を授かることになったのでした。



つづく~第二章へ~


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