堕落故に患いて

憑弥山イタク

堕落故に患いて

 頭痛と云う偶然に甘え、惰眠を貪る。

 月齢さえも鑑みず、枯れゆく涙に歯噛みする。


 頭を絞める曇天を睨み、不快な匂いに眉顰め。

 談笑諸共憎しみ也て、腫れゆく手指を掻き毟る。


 芋虫紛いの我が身とて、人間未満に非ずして。

 自業自得の最たるは、老い着く体の軋み也。


 半人半端の爪齧り、血の味馴染みて悔い齧り。

 死に逝く運命を知って尚、生きる私は愚人也。

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堕落故に患いて 憑弥山イタク @Itaku_Tsukimiyama

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