鉄パイプで人を殴ったときの対処法

@430-515

第1話 将来の夢は

「うめー」

頭から血を流して倒れている人の横で吸う

タバコはめちゃくちゃ気持ちいい

肺にたくさんの煙を入れ込んでいく


この社会には上下関係が成り立っている

上の者が甘い蜜を吸い下の者が蜜を運ぶ

そうやってできている

嫌いだ


上の者になりたくて媚を売る靴だってなんだって舐める

嫌いだ


言うことを聞かないならもういらないお前の代わりはたくさんいるこの考え

嫌いだ


夢は努力を裏切らない将来の夢を叶えているのはごく一部の人間

羨ましい


夢を叶えてもそれの世界が自分に合っているのか

分からず心を病んで離れていく

かわいそう


その同情するのは場合によっては鬱陶しくなる

空気を読んで寄り添うだけにしておこう

勉強になる


私の名前は「y」24で某会社に入社しとくにやりたいこともなくただただ同じような作業をこなしていく

敵を作らないよう言われたことは「はい」

周りの同僚の誘いにも付き合いながら

交流関係も築いていく

外面の良い社員を演じていた

そうするように自分の心に蓋をして


なにがあって今の状況になっているかと言うと

まず倒れているのは私の上司「ざまあみろ」

甘い蜜を吸ってぶくぶく太ったパワハラ女王蜂

自分は何もせず部下に仕事を押し付け手柄は

自分のもの典型的な上司だ「腹が立つ」

最後の緒を切ったのは私が大手との契約にこぎつけ周りからも称賛を得たその時「お疲れ様、あとは私が引き継ぐからよろしく」後ろから上司の声が聞こえた

周りも悲壮な顔が見られたが何も言えない私もそのうちの一人だが内心私は限界を迎えていた

どうしてやろー


それからの行動は早く自分でも

びっくりの判断だった

帰宅する上司の後を追い始めての尾行に興奮する

高揚する気持ちを抑え込み人気のない路地に入ったところを後ろから工事現場に落ちていた

鉄パイプで殴る

躊躇はなかった振り切った

「カーン」甲高い音が響き焦り周りを見渡したが人はいない

安心して上司を車に積み込み近くの山を目指して

高速を走らせる

驚くほど楽しい気持ちが込み上げ、始めて鼻歌をうたう

流行りの歌には疎いはずなのに


五、六曲歌って山に着き上司を原っぱに転がす

息はしていたでも意識はない

「どう思いますか?働き蜂に刺される気持ちは?下に見ていた人が牙を剥く人間なんだから気持ちに限界きたらそりゃぁヤりますよ

今まで敵ばかり作ってきたんだから仕方ないよね

クソッタレって思ってるだろうけど恨むなら自分を恨めよ今までしてきた自分の行いを後悔して

さようなら」

今一度鉄パイプを振りかざし上司の頭にクリティカルヒット 

甲高い音が自分の耳に広がる気持いい

タバコに火をつけ一服 最高だ

今度は被害者を演じるようにしよう


夢が叶った

私の夢は「アクター」

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