第3話 私のキャンピングカーがチートすぎた
ガンガンガンガンガン!
「なんだ……?」
「で、でっかい狼だ!」
さっきの狼より、二回りくらいおおきな狼がいた。
どしーんどしーんっ、と何度もこっちに突進してきてる……!
「ど、どうしよう……」
デカい狼が側面から、正面に回り込んだ。そして……さっきより距離を取っている。まさか、勢いを付けて突進してくるんじゃない!?
「どうしよう……そ、そうだ!」
私は運転席に座る(リビングスペースから、運転席は地続きになってる)。
そして……車のエンジンキーを回す。
……日○タックル! って思ったけど、突っ込んで車が大破する可能性を捨てきれない。
ならば!
私は……車のライトを付ける。そう、光で脅かし、追っ払うのだ。
食らえ……!
「ハイビーム!」
……説明しよう。ハイビームとは、ヘッドライトの上向きモードのことだ。(いつもは、車のライトってやや下向きになってるのだ)
正面にいる魔物を驚かすためにハイビームにした……んだけど。
ビゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
「はいぃいいいい?」
へ、ヘッドライトから……なんか「破ぁ……!」的な、エネルギービームものが出た!?
え、え、え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?
「ハイビームって
私は、恐る恐る外に出て、様子を見てみる。……狼のバラバラ死体があった。うげえ……。
「マジで死んでる……」
しかも不思議なことに、狼のいた背後の森の木々は、一切傷ついていないのだ。燃えても居ないし。
ほんとに、魔物だけをバラバラにしていた。
「……さっきのといい、今のビームといい……なんなんこれ……?」
だ、誰か説明してほしいんですが……状況……。
訳わかんなすぎます……。
「こういうとき、異世界召喚ものの定番だと、鑑定スキルとかあるんだけどなぁ……」
~~~~~~
→
~~~~~~
「ふぁ……!?」
め、目の前にまたあの半透明の板が現れた。しかも……この狼(推定)の情報が出てきた……ってこれ!
「鑑定スキルじゃん……どうして……?」
私のスキルは、
いや、待てよ……。
「隠しスキルなんてものも、あったような……ステータス! &鑑定!」
~~~~~~
隠しスキル
→文字通り隠されたスキル。他人は見ることができない
~~~~~~
~~~~~~
野外活動聖女
→最上位聖女スキル。
所有スキル:【アイテムボックス】【鑑定】
固有スキル:【
~~~~~~
「マジか……」
なんか、私めっちゃスキル持っていたわ。てゆーか、聖女スキル、持ってるじゃんやっぱり。しかも最上位って……。
この最上位聖女スキルの中に鑑定が入っていたんだ。
~~~~~~
→異世界【転移】ボーナス付きキャンピングカーを召喚するスキル。
所有スキル:【隠密】、【結界】、【浄化】、【治癒】
【
~~~~~~
「【転移】ボーナス付きキャンピングカー!?」
しかも、なに、
「でも、いろいろ納得だ……。魔物がこっちを見えてなかったのは、この隠密スキルのおかげだろうし。魔物をぶっ殺したのは、この
私だけで無く、このキャンピングカー、もとい、
それに……
私は
「素材化」
スキルを発動すると、
そして、私の前には毛皮やら、肉やらが出現した。
~~~~~~
大灰狼の毛皮(最上級)
→最高品質の大灰狼の毛皮。高値で取引される。
~~~~~~
「こんなあっさり、高級品がゲットできるし……それに、【アイテムボックス】」
大量のアイテムが、一瞬で消える。
これがあれば、魔物を倒し、アイテムボックスにいれて、街へ行って売るってこと簡単にできる。
また……。
~~~~~~
KAmizon
→金を消費することで、何でも購入可能
~~~~~~
KAmizonっていうスキルを使ってみる。すると、目の前に……また半透明の板が出現した。
これ、あれだ。
「Amaz●nのページだ……」
慣れ親しんだAmaz●nのページ。スマホを操作するみたいに、フリック入力する。
~~~~~~
おーい、水
→150円(or銅貨2枚)
~~~~~~
購入を押すと、
『お金を入れてください』
という文字の下に、小さな四角い、新しい窓が出現。……ここに入れろってことかな?
私は、ポケットに入っていたお財布から、100円玉と50円玉を取り出す。とりあえず異世界の金はないので、今手持ちの小銭で購入してみる。
すると、ごとんっ、と私の前に段ボールが出現したのだ。
……もう、わけわかめ。どっから、誰が、送ってきたんだよ……。
ぱかっ、と段ボールを開けてみる。中には、私の住んでいた世界で普通に売ってる、おーい水が入っていた。
「もしかして……」
KAmizonのページで検索すると……あった。
「ガソリンもあるやん……あと、バッテリーも……」
つまり、なんだ。普通、こういう異世界召喚ものって、召喚された人間にだけチート能力が与えられる。
でも、召喚者(わたし)にだけでなく、一緒に飛ばされた
私は、ダブルチート持ちの異世界転移者ってわけだ。
「は、はは……なーんだ、楽勝じゃん」
最初、こっちの世界に無理矢理連れてこられて、ポイ捨てされて……どうなることかと思った。
でも……私には頼りになる相棒が、居る。
「よろしく、キャンピー。頼りにしてるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます