第2話 お母さん 他界

菊「お母さん...。」

お父さん「ッッ、紗友里...。」

親戚の人「お父さんと子供を残して他界なんて...、」

「ものすごく前から病院へ通っていたらしいわよ。」

「お姉ちゃん!お姉ちゃん...ッッ」

紗友里お母さんが他界__、それは菊が小6になる日、4月1日だった。

親戚の人達が集まって、お祈りしている。

小6になった私を、お母さんが見ると思っていた。けど...、丁度0時0分に

静かに息を引き取った。最後に残してくれた私へのプレゼント。

その中には私の10歳の誕生日の時の、みんなが笑っている写真があった。

菊「...これ、私の誕生日の...、」

裏に手紙が貼られていた。

_______________________________

菊へ

この手紙を見ているという事は、私が他界した頃ですね。

菊は今、何歳ですか?

私は、菊が中学生になる頃までは無理かもしれません。

でも大丈夫。菊は毎日笑顔満開で、みんなを喜ばせてきた。

生まれた頃から天使みたいに可愛くて、私達を笑顔にしてくれた。

小さい、笑顔の魔法使いみたいだよ。

音楽が好きなら音楽をすれば良い。

絵が好きなら絵を書けば良い。

料理が好きなら、料理をすれば良い。

好きな人がいるなら...、好きで居てほしい。

だから、離れていても、お父さんを助けてあげて。

_______________________________

手紙の内容は、お母さんが知っていることを短くまとめたようだった___。

音楽が好きな事、絵が好きな事、料理が好きな事、そして好きな人がいる事。

全部、全部お母さんは見て、行動で分かっていた。

菊「...、お母さん、私の良い所...、全部知ってたんだ...。」

お母さんと離れて、悲しい気持ちが込み上げてくる。

菊の頬に大粒の涙がこぼれ落ちる。

菊「うッ、うッ、わァァァァァッッ!!」

最初は理解出来なかった。お母さんが病死?あの笑顔だったお母さんが、

1週間で全然違う姿になった。それも病気のせいだろう。

私もお母さんにはストレスを掛けていたのかもしれない。けれど、手紙の最後には、

『ずっと笑顔でいてね、約束。お母さんより』と______。

頭の中で、何回もお母さん笑顔が現れる。頭に現れるたびに悲しくなる。

お母さんと離れたことが、ずっと理解できなくて、ずっと、ずっと悲しかった。

このまま、立ち直れる日が来るのだろうか?

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