未知
@omuro1
第1話
いつ動き出したかも分からず、気づけば始まっていた人生。
目的地も知らされないまま、ただ歩かされている、この一本道。
何事も起きないまま、残りの日々が少しずつ減っている。
昨日と今日の差が、言葉にできないほど小さくなり、慣れがすべてを覆っている。
劇的な成功も、取り返しのつかない失敗もなく、ただ何となくで薄められた時間が、見えないうちに流れていく。
このまま、意味を問うほどの出来事が起きないのではないか。
努力が報われないわけではなく、努力の出番すら与えられない。
明日には、もしかしたら……。
何かが起きる保証はない。
唯一の問題は、道が突然、何の前触れもなく途切れること。
人生とは、どこへ向かう道なのか。
終わりがあるから、その道中が問われる。
何も起きていないわけではない。
何かを欲してはいるが、それが何か、まだ分からない。
ただ、分からないまま歩いている。
今のところ確かなのは、分からないということだけ。
この感覚ごと、終わりまでいけたなら、それが僕なりの歩き方なのかもしれない。
未知 @omuro1
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