第10話

エピソード9:隔靴掻痒


心も身体も満たされていなかったある日、等海は有料動画サイトで、青色担当だった真理愛がAV女優になっているのを発見する。

等海は驚き、とっさに真理愛に連絡を取り、問い質すと真理愛はホストクラブの売掛金支払いによる転身をあっけらかんと告白した。

「なんで相談してくれなかったの?」等海が問い質す。

「だって、ナオ姉ぇだって、色々あって大変だったでしょ!?それにシオ姉ぇに連絡したら、シオ姉ぇママから返信が来て、シオ姉ぇは、今誰とも話を出来ないんです、、、ごめんなさい。」って。


等海は、自分が辿り着いた破滅の道を、真理愛という共犯者を通して見ることで、”これは、見捨てられた者が辿り着いた無残な結果“と、歪んだ理屈で自分を納得させ、破滅への衝動をさらに強固なものにした。

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