転生エルフちゃんは現実逃避したい

SK猫もふ

第1話 ハイエルフ追い出される

「はぁ…どうしてこうなったの」



あれは今から数年前のこと………




ある日、わたしは同じエルフから里を追い出されました。


今思えば王族である父様が病気で亡くなったのも、盗賊に母様が襲われたのに助けが遅れたのもすべてヒトノ王国の欲深い人間の現王族と手を組んでいた父様の右腕で宰相のグリムが仕組んだ事だと知ったのはすべてが終わってしまった後でした。


王族の生き残りであるわたしは、宰相にとっては邪魔だったのでしょう。

用心深い人物だった様でわたしを里から追い出した後、私兵に殺すように指示したのでしょう。


崖に追い詰められたわたしは、もう何もしたくなくて諦めてしまっていました。下は流れの速い川。

弓でも川でもどちらも子供のわたしにとっては生き残る事は出来ない。と、それだけは理解できました。


矢で横腹を撃たれ川に落ち、流されている内に意識を手放しました。


冷たく、、、身体が冷えていきます、、、わたしは、、ひとり、、、ぼっちで、、、


意識もなくなって来た頃、あたたかいものがわたしの中に入って来ました。


「だい、、、、ぶ、、治りy、、助、」


誰かの声が聞こえて来ました。でもわたしは亡くなった、、、、はずでした。


私はともえ現代社会でOLをしていたのだと思う。

川で飲んだ水を吐き出して、誰かに回復魔法をかけられている状態で誰かの?記憶を思い出した。

この記憶が死にかけのせいで頭が勝手に描き出したものなのかは、わかりませんでした。


この記憶を思い出した時、エルフの王族としての記憶が曖昧になってしまっていました。父様と母様との思い出は残っています。

でも自分の名前とこの世界の言語がわかりません、これからわたしがどうなるのか不安で泣いてしまい。

体力も余り残っていなかったせいでそのまま沈むように眠りについていました。


________________


「宰相様!横腹に矢を当て、川に落ちてしまい死体は回収出来ませんでした。」


そう言い、兵士は膝をつき指示を待っているようだ。

ふむ。この川の速さ、横腹に矢を受けた状態で生き残る事はわしでも無理じゃな。


「よい、生き残る事はできぬじゃろう。撤収するぞ」


彼女が追撃をかけられなかったのは幸運と言える。そして宰相は知らなかった、流されていった先に街があった事。

そして彼女を偶然見つけ助けてくれたパーティーがいた事を。

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