白夜かぐらの日常

白夜かぐら

第1話 止められなかった

こういう時何が正解なのかわからない


はるか昔


とても暑い日だった


その人はグラスにたっぷり氷を入れて


キッチンカウンター越しの私に


満面の笑顔で


今日起きた嬉しいことを話していた


私も嬉しかった


それが起きるまでは……


その人は満面の笑みのまま


しゃもじでパンッパンッと


氷の入った素敵なグラスに


ご飯を詰めていた


私は伝えてもいいのかわからなくて


引き攣った笑顔のまま目を見開き


グラスとその人を交互に見つめた


数秒後、キッチンには悲鳴が響き渡った




*悲鳴の原因、それはその人が水を入れたつもりになって、熱々のご飯をグラスから飲もうとしたこと

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